人生の先輩として

こんにちは。足利の学習塾 森戸塾の森戸です。

宇都宮みんみんの餃子が食べたいな。

横川の釜めしも食べたいな。

そんなことを、ここ最近ずっと考えていました。

しかし、昨日の日曜日は、まだしばらく様子を見ようと、外出を我慢しました。

午後になってニュースを見ると、宇都宮の餃子は90分待ちで、軽井沢は首都圏ナンバーでごった返しているとの報道でした。

「こりゃ、行かなくてよかったな」と、少しばかり思いました。

その代わりといっては何ですが、やっと開幕したプロ野球をテレビで楽しみました。

わが千葉ロッテマリーンズは、開幕のソフトバンク戦を2勝1敗で見事勝ち越し、幸先の良いスタートを切りました。

昨日は井上選手の満塁ホームランもあり、FAで楽天から移籍した美馬投手が、マリーンズでの初勝利を挙げました。

このままの勢いでほかのチームからも白星を積み上げて、秋には久しぶりの日本一になってもらいたいものです。

さて、ここのところ頻繁に更新をしているこのブログですが、3月の後半から4月いっぱいにかけては、更新の手がまったく止まっていました。

コロナ対策で忙しく、気分的にも何かを書こうという気にとてもなれなかったからです。

しかし、その間も、ふつうの時であれば、すぐにでもブログに書きたくなるような嬉しい出来事もありました。

4月上旬の日曜日のことです。

たまたま用があって教室にいると、外から誰かが覗いています。

すると、ドアが開き、3年前に足高に合格した卒業生が現れました。

「おう、◯◯君、久しぶり!今日はどうしたん?」

「先生にあいさつに来ました」

聞くと、この春に大学進学が決まり、入学と同時に足利を離れることになったそうです。

それで、わざわざ私にあいさつをしに来てくれたのです。

何度か足を運んでくれていたらしいのですが、そのたびに塾が閉まっていて、やっと会うことができたと言っていました。

彼は、これまでの受験勉強のことや、これから大学で学ぶ内容や、住むことになる街の様子など、いろいろなことを話してくれました。

そして、30分ほど話して「また来ます」と言って帰っていきました。

彼が帰ったあと、私は自分自身が大学に入学する直前の頃を思い出しました。

長くてつらかった受験勉強から解放され、新しい環境で新しいことに挑戦する。

ドキドキすると同時に、とてもワクワクしていました。

まだ何も決まっていない未来が、無限に広がっているような気がしていました。

「若さは、それそのものに価値がある」

まだ若い頃の私は、この言葉の意味を、深く理解することができませんでした。

若者にとっては、若さは「当たり前」であり、当たり前のことには価値を見出すことができないからです。

しかし、50歳となった現在では、とても納得できる言葉です。

ですから、私は自分の塾の生徒たちが、ひとり残らずとてもうらやましいです。

すべてがこれからであり、これからはまさに自分次第だからです。

しかし、かつての私と同じように、そのことに気づいている生徒はほとんどいません。

そこで、私はこう考えています。

たとえ十分ではないにしても、その価値に気づくことができるよう、さまざまな方法で手助けをしてあげるのも自分の仕事ではないか。

私は自分を「教育者」だと思ったことは一度もありません。

塾の先生は「受験指導の専門家」であり、決して「教育の専門家」ではないというのが持論だからです。

しかし、子どもたちより長く生きている分、その分だけ「人生の先輩」であることは間違いありません。

ですから、勉強を教える以外にも、人生の先輩として、子どもたちに与えてることができる助言があれば、すすんで与えていきたいと考えています。

そういえば、何年か前になりますが、こんなこともありました。

中学生の授業が終わり、教室の外に見送りに出ると、ひとりの青年がニコニコしながら近づいてきます。

「妹がお世話になっています」

どうやら生徒のお迎えのようですが、誰だかわかりません。

「◯◯です」

私の様子を察してか、彼は自分の名前を言いました。

言われてみれば確かに面影があります。

何年か前の卒業生です。

男子生徒は中学卒業後にぐっと背が伸びることがあり、久しぶりに会うと誰だかわからないことが結構あります。

「いま大学生だよね?どこの大学に行ってるの?」

「◯◯大学です」

「専攻は?」

「医学部です」

「へぇー!ドクター目指してるんだ!」

今回のコロナの件では、医療従事者の方々の献身的な努力により、日本は諸外国とくらべ、被害を比較的小さく食い止めることができました。

心より感謝です。

おそらく卒業生の彼も、そろそろドクターになっている頃ではないでしょうか。

森戸塾で学ぶ子どもたちが、それぞれの将来で、自分の人生に満足しながら、世の中を支える一つ一つの大きな力になってくれたら、人生の先輩としてこれ以上の喜びはありません。

今日はこのへんで。