こんにちは。足利の学習塾 森戸塾の森戸です。
ほんとうに久しぶりの更新となってしまいました。
ほぼ2か月ぶりです。
中3の夏期講習で心身ともに消耗しきってしまい、書くための気力と書くためのネタがまったく湧いてきませんでした。
しかし、そろそろ気力も体力も回復してきましたので、更新を再開したいと思います。
さて2学期も始まり、中3生諸君はいよいよ本格的に志望校の選定に入る時期かと思います。
ご家庭でじっくりと話し合って、後悔のない進路を選んでいただきたいと思います。
そこで、私なりに少しばかりアドバイスをさせていただけければと思います。
この地域では長年の間、県立高校を第1志望とするご家庭が主流でした。
しかし、ここ近年、その傾向に少しずつ変化がみられるようになってきました。
それは、私立高校を第1志望にする生徒が増えてきたことです。
理由は2つほどあると思います。
まず1つ目は、国の新たな就学支援金制度により、授業料の負担が大幅に減ったことです。
これにより、私立高校は以前よりも経済的に通いやすくなりました。
そして2つ目は、真偽のほどはともかくとして、県立高校よりも「面倒見がよい」という話を、最近では多く耳にすることも理由だと思います。
これらの点について、私なりに見解を述べてみたいと思います。
まず1つ目の費用についてです。
就学支援金制度のおかげで、現在の私立高校は、授業料については県立高校とあまり変わらない負担で通うことができます。
しかし、入学時に必要な入学金や、施設の整備や拡充に用いられる施設費などは、支援金の対象外です。
したがって、入学時には合わせて数十万円といった、県立高校よりもはるかに高い金額を納める必要があります。
また、カバンやくつなどの学用品についてですが、県立高校では校則の範囲内であれば市販のものを自由に選ぶことができます。
しかし、私立高校では、ほとんどのものが学校指定になっており、それ以外のものを使用することは許されていません。
したがって、一般的に売られている同品質のものよりも、かなり高い値段で学校指定のものを買わされることになります。
学校によってはその指定が、ワイシャツ、カーディガン、コート、マフラー、くつ下、傘など、身につけるものや持ち物のありとあらゆるものに及んでいます。
したがって、入学時にかなりまとまった金額が必要となることは、以前までとまったく変わりがありません。
しかし、このような入学時にかかるコストを抑える方法が1つだけあります。
それは、学業特待入試や奨学生試験を受験して、特待生や奨学生となることです。
特待生や奨学生になれば、そのランクに応じて入学金や施設費の減免を受けることができます。
したがって、その分だけ入学時のコストを抑えることが可能となり、その後の授業料についても減免が受けられます。
しかし、ここで注意が必要です。
学業特待生や奨学生の待遇は、3年間保証されたものではありません。
これは、ほとんどの私立高校でそうです。
入学後の成績により、学期ごとや学年ごとの見直しが図られます。
しかも、多くの学校においてその基準が明らかにされておらず、入学時には知らされていなかった条件を、後出しじゃんけん的につぎつぎに出してくる学校もあります。
そのため学校によっては、1年時にはたくさんいたはずの学業特待生が、3年時にはほとんどいないという状態もざらにあります。
また、これも後出しじゃんけんの話になりますが、次に述べるような、何とも唖然とするようなことを平気でおこなっている学校もあります。
たいていの高校にはさまざまな大学からの指定校推薦枠が与えられています。
いわゆる指定校推薦入試です。
大学側が要求した基準(評定平均など)を満たす生徒を、高校側が推薦するという仕組みです。
推薦を受けた生徒はほぼ100%合格できますので、大学に合格するための最も確実な方法といえます。
そのため、高校入学時から指定校推薦での大学合格をねらっている生徒たちもたくさんいます。
ところが、この指定校推薦入試ですが、多くの私立高校では、学業特待生や奨学生にはその枠を使わせないという方針をとっています。
特待生や奨学生には一般入試で合格してもらい、指定校推薦枠は一般入試では合格ができない生徒にあてがいたいと考えているからです。
そうすれば、学校全体としての進学実績を、見た目だけでも良く見せることができます。
学習塾と同じように、進学実績は私立高校にとって生徒募集の大きな宣伝材料となります。
したがって、そこに力を入れたい気持ちはよくわかります。
しかし、学力で勝る子を排除して、本来であればその大学に合格するだけの学力のない生徒を送り込むことは、大学側が考えている指定校推薦の趣旨からは大きくかけ離れています。
また、そのような形で送り込んだ生徒も含めて実績とするのであれば、それは虚偽の宣伝であり、誇大広告と言わざる得ません。
ただ、その学校の方針はその学校が決めるべきことです。
「これがうちの方針です」というのであれば、それはそれで仕方がありません。
生徒や保護者としては、嫌ならその学校を選ばなければいいだけの話です。
しかし、ここで問題となるのは、そのことを特待生や特待生の保護者には隠しておいて、入学手続きが済んでからはじめて知らせることなのです。
「そんな話は聞いていない!」
当然、そのような抗議が生徒からも保護者からも猛烈に湧きおこります。
しかし、なんだかんだと言い逃れ、いつの間にかにうやむやにしてしまいます。
結果として特待生は指定校推薦枠を使わせてもらえず、一般入試に向けて不安と闘いながら、一生けんめい勉強をしているそのわきで、自分よりもはるかに学力の劣る生徒が、指定校枠を使って楽々と大学に合格していく姿を見せられることになります。
「がんばっている子が損をする」
これのいったいどこが教育なのでしょうか?
また、2つ目の面倒見がよいという点については、ある卒業生の保護者様の言葉を記しておきます。
「中学校の先生の『私立は面倒見がいい』という言葉や、説明会での『3年間しっかりと面倒を見ます』という言葉を信じて、息子を私立高校に入れました。
だけど、結果として面倒なんてほとんど見てもらえませんでした。
むしろ、2番目の子が入った県立高校のほうが、よっぽどよく面倒を見てくれたと思います」
じつは、このご家庭には3番目のお子さんがいるのですが、もちろんその子も迷うことなく県立高校に進学しました。
学習塾であれば、聞かされていた話と違うと思えば、その時点で辞めることができます。
しかし、高校はいったん入ってしまったら、よほどのことでもない限り、途中で辞めることはできません。
騙されたと思いながらも、そのまま我慢して3年間通い続けるしかありません。
その点は、おそらく高校側が一番よくわかっていると思います。
「入れちまったらこっちのもの」
残念ではありますが、私立高校によっては、本音はそんなところなのかもしれません。
したがって、私立高校を第1志望にする場合は、単に学校側からの宣伝を鵜呑みにするのではなく、疑問に思うことがあれば、受験をする前の段階ですべてきちんと説明を求めるべきです。
そこで、変に答えを誤魔化したり、あいまいな返事しか返ってこないようであれば、その学校はお子さんがわざわざ志望校にするほどの価値がない学校ということになります。
私の塾では、私立高校に対して事前に質問すべき事柄について、来月に実施予定の三者面談で生徒と保護者様にくわしくお伝えするつもりです。
ぜひ慎重に志望校選びをおこなってください。
今日はこのへんで。
(岩手県遠野市といえば、民俗学の権威である柳田國男が、明治時代に記した「遠野物語」が有名ですが、遠野市観光協会から、その遠野物語にも登場するカッパの「捕獲許可証」が届きました。裏面を見ると、カッパは生け捕りにして、傷をつけないで捕まえること。頭の皿を傷つけず、皿の中の水をこぼさないで捕まえることなど、カッパ捕獲7ヶ条なるものが書かれています。遠野へは1回ほど行ったことがありますが、今度はカッパを求めて再び訪れたいと思います)