こんにちは。足利の学習塾 森戸塾の森戸です。
6月に入り、空模様も少しずつ不安定になってきました。
いよいよ梅雨入りの時期ですね。
ジメジメとした気候は気分も沈みがちで、「鬱陶しいなあ」と感じる方も多いと思います。
傘が手放せなくなり、洗濯物も乾きにくくなるこの季節。
しかし、そんな梅雨にも大切な役割があります。
梅雨の時期にしっかりと雨が降ってくれなければ、私たちの生活にとって必要不可欠な植物たちが育ちません。
特に田んぼの稲にとっては、まさに成長のための恵みの雨です。
稲は水を必要とする作物の代表格。
水が足りなければ実りは望めません。
昨年から今年にかけて、米の不足が問題になっていますが、梅雨の雨にしっかりと働いてもらい、稲の成長を後押ししてもらいたいものです。
自然のサイクルに感謝しつつ、私たちも自分たちの役割を果たしていきたいですね。
さて、そんな季節が巡ってくると、学習塾にとっても一つの節目が近づいてきます。
そう、「夏期講習」です。
夏休みなどの長期休暇の時期に、塾が特別な講習を組むのは今や当たり前になっています。
では、そもそもなぜ夏期講習を行うのでしょうか。
第一に考えられるのは、生徒たちにまとまった時間を確保して勉強させ、学力の向上を目指すことです。
普段の授業ではじっくりと時間が取れない単元や、苦手な部分の克服に時間を割けるのは、長期休暇ならではのメリットです。
また、夏休みのような長い休みの間、どうしても生活リズムが崩れやすくなります。
夜更かしや昼まで寝ているといったダラダラとした生活が続けば、勉強の習慣も崩れてしまいがち。
学力の低下を防ぐためにも、ある程度の緊張感や規則正しさを保つ機会として講習は有効です。
と、これらが一般的に語られる講習の目的ですが、実は学習塾にとってもう一つ大きな意味があります。
それは「生徒数を増やす」という営業的な側面です。
講習をきっかけに新規の生徒を集め、講習後も継続して通ってもらえるよう働きかけることで、塾としての継続した売り上げを増やしていくという狙いがあるのです。
私がかつて勤務していた大手学習塾でも、それが最も重要な目的として位置付けられていました。
「継続申込書を出してもらえるよう、講習期間中に最低〇回以上は保護者に電話をかけろ」という指示が本社から出されていました。
このように、申込書を出してもらえるまで、何度も電話をかけるのは当たり前。
それでも出してもらえない場合には、直接ご自宅を訪問して説得するよう命じられることもありました。
個人的には非常に抵抗がありましたし、できればやりたくない仕事でしたが、組織としてはそれが「成果」と見なされていたわけです。
その点、現在私が運営している森戸塾では、まったく異なる考え方を採っています。
まず中学1年生と2年生については、夏期講習そのものを実施していません。
その理由は、「必要がないから」です。
というのも、ほとんどの塾では学校が夏休みに入っても、基本的には授業は通常通り継続されます。
そこでわざわざ特別な講習を設けなくても、毎週の授業をきちんとおこなっていけば、十分な学習効果が得られるはずです。
むしろ、夏休みの時期は運動部を中心に部活動の練習が激しくなりますし、近年の異常な猛暑も重なって、生徒たちはかなり疲れがたまりやすくなっています。
そんな中で、何日にもわたって連続して塾に通わせたところで、生徒たちは集中力を保てませんし、保護者様が支払った費用に見合うだけの成果も期待しにくいのが実情です。
実際に、入塾面談の際に「夏期講習や冬期講習はありますか?」と聞かれることがたびたびあります。
そして私が「中1や中2については実施していません」と答えると、ほとんどの保護者の方が「それは助かります」と笑顔でおっしゃいます。
つまり、表向きは何も言わなくても、内心では「講習って本当に必要なのか?」と疑問に感じている保護者が少なくないのだと思います。
もちろん、中学3年生については話は別です。
受験という大きな目標がある以上、夏期講習は必要不可欠なものとなります。
森戸塾でも中3には夏期講習を実施します。
ただし、これは大手学習塾のような「集客目的」の講習ではありません。
外部からの募集は行わず、塾生のみに対して実施しています。
純粋に「受験生としての学力を伸ばす」ことだけを目的とした講習です。
昨年の夏期講習では、参加した多くの生徒たちが見違えるような成績アップを遂げました。
たとえば、夏前の6月の下野模試では、偏差値が60を超える生徒は数えるほどしかいませんでしたが、講習後の8月には60台に乗った生徒が一気に増加しました。
中には偏差値を10以上も伸ばした生徒もおり、本人も保護者様も驚いていました。
その秘訣は「徹底した復習」です。講習は午前中で終え、午後は生徒を帰宅させて、各自でその日の復習をするというスタイルを貫きました。
その復習に対する指導と管理を怠らなかった結果、ただ授業を詰め込むだけの形式的な講習とまったく違った成果が得られたのです。
講習後、多く生徒たちが、「こんなに成績が上がるなんて自分でも信じられない」と話していました。
そして、その後の高校入試では、全員が第一志望に合格するという快挙を成し遂げました。
今年の夏期講習も、授業の質をさらに高めるとともに、復習のやり方と習慣の確立にいっそう力を入れていきたいと考えています。
梅雨を越え、また暑い夏がやってきます。
自然が稲を育てるように、私たちも生徒たちの力をじっくりと育てていきたいと思います。
今からその夏の成長が、非常に楽しみです。
今日はこのへんで。
