学習塾の広告を目にすると、「無料」という言葉がやたらと目につきます。
「春期講習無料」「教材費無料」「補習はすべて無料」──
もはや珍しくもなく、当たり前のように並ぶ言葉です。
実際、これまで私の塾でも、そうした「無料」を時期ごとに行ってきました。
理由は単純です。
「無料」を打ち出せば、人は集まりやすい。
それが現実だからです。
しかし、私の塾は2026年3月より、一切の「無料」をやめることにしました。
これは経営上の思いつきでも、強がりでもありません。
長年この仕事を続けてきた中で、行き着いた一つの結論です。
理由は二つあります。
一つ目は、プロフェッショナルの在り方についてです。
ほんとうのプロであれば、無料で誰かに何かを提供することはありません。
医師が診察を無料で行うでしょうか。
弁護士が相談を無料で引き受け続けるでしょうか。
自分の経験、知識、技術に価値があると本気で信じている人ほど、それを安売りしないものです。
それは傲慢だからではありません。
自分の仕事に対して、責任と誇りを持っているからです。
逆に言えば、無料にしなければ選んでもらえないと、自分自身がわかっている。
だから「無料」を掲げる。
私はそう考えています。
「無料」とは、自分が提供しているサービスに、自分自身が自信を持てていないこと、誇りを持ち切れていないことの表れではないでしょうか。
そう考えるようになり、私はいっさいの「無料」をやめる決断をしました。
なぜなら、足利において、私の塾を上回る質を持った塾は存在しないという確信があるからです。
それは根拠のない自信ではありません。
これまでの結果、積み重ねてきた指導、そして生徒たちの成長が、私にその確信を与えてくれました。
二つ目の理由は、塾としての姿勢です。
正直に言います。
私の塾は、「無料」という言葉に惹かれて選ばれる塾ではありませんし、そうであってはならないと考えています。
「無料だから、とりあえず行ってみよう」
「合わなければやめればいい」
そうしたお手軽な気持ちで来られては困ります。
ここは、本気で勉強をする場所です。
本気で勉強をさせる覚悟を持って来ていただく場所です。
楽をしたい人のための塾ではありません。
その代わり、本気で取り組む生徒には、私は一切妥協しません。
傲慢だと言われるかもしれませんが、どこか他の塾と比較されて選んでもらう塾でもありません。
「安いから」「無料だから」という理由で選ばれる必要もありません。
だから私は、「無料」に魅力を感じるご家庭は要りません。
むしろ、来てほしくないとすら思っています。
以上が、私が「無料」をやめる理由です。
ここで、保護者の皆さまにとっての現実的なメリットについても、はっきりお伝えしておきます。
「無料」をやめるということは、その場しのぎの集客や、数合わせの入塾を一切しないということです。
その結果、教室の雰囲気は落ち着き、本気で学ぶ生徒だけが残ります。
これは、
・授業にいい緊張感が生まれる
・学習レベルや意識が自然と高く保たれる
・一人ひとりに対する指導の密度が上がる
という、非常に大きなメリットにつながります。
また、「無料講習」や「無料補習」によって、実際には授業料や教材費にどこかで上乗せされている、あるいは指導時間が形だけ増えて中身が薄くなる
──そうしたことも起こりません。
お支払いいただく費用と、お子さまが受け取る指導内容が、最初から最後まで一致している。
これが、私の塾の考える健全な料金体系です。
さらに言えば、
「無料だから通わせている」のではなく、
「必要だから通わせている」という状態は、
ご家庭と塾が同じ方向を向くということでもあります。
塾任せにしない。
家庭も本気。
塾も本気。
その関係が築けたとき、成績は最短距離で伸びます。
結果として、
・塾だけではなく家庭での学習習慣が身に付く
・余計な授業を追加する必要がない
・最終的な教育費が抑えられる
こうした点も、保護者の皆さまにとっての、きわめて現実的なメリットだと考えています。
ただし、ひとつだけ例外があります。
塾生からの質問は、これまで通り無料です。
なぜなら、質問対応は授業料の中に当然含まれているものだと考えているからです。
また、本気で学びたい考えている生徒ほど、よく質問をするものだからです。
授業の内容はもちろん、家庭学習の進め方、考え方、つまずき──
何回でも、何時間でも、納得するまで、とことん付き合います。
それが、私が考える「本物の指導」であり、「無料」に頼らずとも選ばれる塾であり続ける理由です。
