寒い季節に思うこと──鍋と進路と、子どもたちの成長

12月が間近に迫り、朝晩の冷え込みが一段と厳しくなってきました。

いよいよ冬がやって来ます。

そして、冬といえばやはり鍋。

体の芯から温まる、あの湯気と香りが恋しくなる季節の到来です。

しかし、塾の仕事はどうしても帰宅時間が遅くなります。

授業が終わり、生徒の質問対応をしたり、翌日の準備をしたりしていると、帰宅時間は夜の10時を回ります。

そんなわけで、夕食は家族と時間が合いません。

家族が鍋を囲んでいても、私だけ別メニューという日がほとんどです。

寒い日に「今日は鍋が食べたい…」と思っても、タイミングが合わず、鍋をあきらめる日々が続いていました。

ところが最近、この長年の悩みをついに解決できる方法を見つけました。

それが「ひとり鍋」です。

カインズホームで一人用の小さな鍋と、固形燃料を入れて使う卓上コンロを購入しました。

旅館やホテルなどの夕食でよく見かけるあれです。

これが思いのほか便利で、帰宅時間に合わせて妻に準備をしてもらっておくのですが、テーブルにつくとすぐに熱々の鍋が楽しめます。

最近では「今日は鶏鍋」「今日は海鮮鍋」「今日はキムチ鍋」と、具材やスープを変えながら日替わりで楽しんでいます。

最後の締めはもちろん、ラーメンを投入。

遅い時間に食べ過ぎるのは体に良くないとわかっているのですが、ついつい箸が進んでしまいます。

季節の楽しみとして、しばらくはひとり鍋ブームが続きそうです。

さて、鍋の話はこれくらいにして、ここからは少し真面目な話題を。

先日、栃木県の今年第1回目となる進路希望調査の結果が発表されました。

今年も、足利高校や佐野東高校など一部の高校を除き、足利および周辺地域の県立高校では、昨年に引き続き非常に低い倍率が予想されています。

その最大の要因は、言うまでもなく少子化です。

県の教育委員会も統廃合や定員削減で対応していますが、さまざまな理由からそれにもやはり限度があります。

さらに、ここ数年で影響が大きくなっているのが「高校授業料の無償化」です。

経済的な理由で私立を敬遠する家庭が減り、むしろ最初から私立高校を第一志望にするケースも増えています。

結果として、公立高校の倍率はさらに下がり、受験勉強らしい勉強をしなくても合格できてしまうような状況が生まれています。

しかし、私はこの状況を手放しで喜ぶことはできません。

なぜなら、高校入試は子どもたちにとって「通過儀礼」のひとつだと考えているからです。

通過儀礼とは、誕生や成人、結婚といった人生の節目に行われる儀式のことで、人が社会的に新しい段階へ移行することを周囲が認めるための大切な過程です。

成人式などがその代表です。

高校入試も、子どもたちが大人へと成長するための重要な節目だと私は考えています。

私の長い経験の中で確信しているのは、受験勉強は子どもたちに2つの重要なものをもたらすということです。

1つめは学力。

そして2つめは、大人としての考え方や態度です。

まだ若く、塾講師としての経験も浅かった頃、私は受験勉強といえば「成績を上げて合格するためのもの」という視点しか持っていませんでした。

しかし長く指導を続ける中で、受験勉強を通じて子どもたちが精神的にも大きく成長する姿を何度も目にし、考えは大きく変わっていきました。

春先には考え方や行動にまだ子どもっぽさの目立つ3年生たちが、1年が過ぎて受験を終えるころには驚くほど大人へと成長します。

このように学力だけでなく、精神面も高校生としてふさわしい姿になっていくのを毎年のように感じます。

だからこそ、受験勉強に真剣に取り組まないまま高校に進学してしまうのは、本人にとって決して良いことではありません。

学力だけでなく、精神的にも高校生活を充実させる準備が整わないまま、高校という次のステージに進んでしまうからです。

その結果、せっかくの高校生活を十分に活かせない可能性があります。

高校生活は中学よりも、さまざまな点で生徒本人の自由度が高く、その分その後の人生に大きな影響を与えることになります。

「どんな高校生活を送るか」で、将来の進路が大きく変わります。

だからこそ、塾は単に勉強を教える場所だけであってはいけない、と私は思います。

倍率の高い低いにかかわらず、生徒が自分の将来の大きな目標を見つけ、それに向かって日々努力を積み重ねていけるように導く場所でありたいのです。

目標は生徒それぞれで違って構いません。

全員が難関校を目指す必要はありません。

大切なのは「他人と比べるのではなく、昨日の自分より成長できているかどうか」です。

それこそが本当の意味での進歩です。

先日、期末テストを終えた生徒と話をしました。

数学が大の苦手な生徒なのですが、今回は努力が実って、なんと前回より20点以上も点数を伸ばすことができました。

数学が得意な子から見れば、まだまだの点数かもしれません。

しかし、その20点はその子が精一杯がんばって積み上げた努力の証であり、何よりも価値のある成長です。

「やったじゃん!」と声をかけると、本人は本当に嬉しそうな表情を見せてくれました。

こういった瞬間こそが、この仕事における私の最大の喜びです。

これからも、子どもたち一人ひとりが自分の目標に向かって成長していけるよう、全力でサポートしていきたいと思います。

今日はこのへんで。