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梅雨の楽しみと、夏期講習について私が思うこと

梅雨らしい空模様が続いています。

青空が恋しくなる日もありますが、この時期の雨は植物にとっては欠かすことのできない恵みです。

そう考えると、この長雨にもちゃんと意味があるのだろうと思います。

とはいえ、高い湿度と蒸し暑さで過ごしにくい毎日が続いているのも事実です。

そんな中、私は最近、小さな楽しみを見つけました。

教室は現在工事中の中橋のすぐ近くにあります。

授業が始まるまで少し時間がある日は、歩行者専用橋として生まれ変わった旧中橋を歩くのが日課になりました。

この季節は川から吹いてくる風がとても心地よく、河川敷ではせせらぎに混じって鳥たちの鳴き声が響いています。

絶え間なくさえずっているのはヒバリ。

芦原ではオオヨシキリが元気よく鳴き続けています。

浅瀬の石の上では、川鵜が大きく羽を広げて乾かしている姿も見られます。

少し前まで、鳥にはほとんど興味がありませんでした。

ところが、毎日のように中橋へ足を運ぶうちに、「あの鳥は何だろう」と気になるようになり、図鑑を買って調べたり、インターネットで名前や生態を調べたりするうちに、少しずつ詳しくなってきました。

知れば知るほど、また会いに行きたくなる。

ほんのささいなことですが、毎日の暮らしに少しだけ彩りが加わったような気がしています。

さて、間もなく梅雨も明け、本格的な夏がやってきます。

学習塾にとって夏といえば、やはり夏期講習です。

ところが近年、この夏期講習に大きな変化が起きています。

「夏期講習無料」

そんな広告を目にする機会がずいぶん増えました。

夏期講習は、多くの学習塾にとって一年の中でも重要な収益源です。

それをあえて無料で実施するのには、もちろん理由があります。

背景にあるのは、ここ数年続く急激な物価高です。

その影響により、どこの塾も生徒が集まりにくい状況になっています。

食費や光熱費など生活にかかる負担が大きくなり、教育費まで手が回らないご家庭が増えているようです。

そしてこの傾向は、下の学年にいくほど強くなっています。

中学3年生になれば受験がありますから、多くのご家庭が塾の必要性を感じます。

しかし1年生や2年生であれば、「まだもう少し様子を見よう」「できるだけ通塾は先延ばしにしたい」と考えるのは、ごく自然なことだと思います。

私も、そのお気持ちはよく理解できます。

ところで、中学1年生の多くは今回の期末テストで初めて本格的な定期テストを経験しました。

小学校では自分の点数は分かっても、自分が全体の中でどの位置にいるのかまでは分かりません。

しかし中学校では違います。

点数だけでなく、学年順位まで示されます。

そこで初めて、自分の現在地を客観的に知ることになります。

思った以上によい結果なら安心ですが、そうでなければ焦るのも当然でしょう。

そんなタイミングで「無料」という文字を見れば、「とりあえず行かせてみようかな」と思うのも無理はありません。

ただ、私は一つだけ知っておいていただきたいことがあります。

学習塾は学校ではありません。

民間企業です。

無料で大きなサービスを提供する以上、その先には必ず目的があります。

もちろん、それ自体が悪いことだと言うつもりはありません。

無料講習をきっかけに入塾してもらうことは、多くの塾が採用している経営戦略の一つです。

ですから、その塾を気に入った場合、そのまま継続して通うつもりで参加するのであれば、何の問題もありません。

しかし、「無料だから」「どうせ遊んでいるくらいなら」といった軽い気持ちで参加するのであれば、一度よく考えてから申し込むことをおすすめします。

講習終了後には必ず継続の案内があります。

数万円分の授業を無料で提供する以上、塾側としては何としてでも入塾につなげたい。

勧誘にも自然と力が入ります。

そのため、たびたびの熱心な誘いに、お断りすること自体が精神的な負担になる方も少なくありません。

また、もう一つ誤解してほしくないことがあります。

数日間の講習だけで、劇的に成績が上がることはありません。

学力は日々の積み重ねによって身についていくものです。

塾の立場から言えば、通常授業という土台があり、その上に夏期講習が積み重なることで初めて大きな効果が生まれます。

だからこそ、私は自分の塾の方針を開業以来ほとんど変えていません。

夏期講習を実施するのは中学3年生だけです。

受験生にとって夏は特別な意味を持つ時期だからです。

「夏を制する者は受験を制する」と昔から言われるように、この時期の学習量は合否を左右します。

ちなみに、今年の中3クラスはすでに定員となっています。

ほんとうにありがたいことだと感謝しています。

一方、それ以外の学年では夏期講習は実施していません。

その代わり、お盆休みを除いて通常授業を継続します。

普段の授業を丁寧に積み重ねることで、2学期への準備は十分できると考えているからです。

保護者の皆様に必要以上の費用をご負担いただく必要もありませんし、生徒たちにも毎日塾へ通う負担をかける必要もありません。

もちろん、夏休みは勉強だけをする期間ではありません。

家族で旅行に出かけたり、部活動に打ち込んだり、友達と遊んだりする時間も、子どもたちにとっては大切な経験です。

だからこそ、限られた時間の中で、普段の授業をしっかり積み重ねることを私は大切にしています。

派手なキャンペーンはありません。

無料講習もありません。

その代わり、一回一回の授業には責任を持ち、いただいた授業料以上の価値をお返しすることを常に心掛けています。

それが22年間、私が変えずに続けてきた、この塾の考え方です。

(写真は、夕方の中橋から渡良瀬橋方面を撮った一枚です。ここのところ天気のすっきりしない日が続き、鮮やかな夕焼けにはなかなか出会えません。それでも、曇り空の下で山ぎわがほんのりオレンジ色に染まる景色には、晴れの日とはまた違った趣があります。派手さはありませんが、こんな夕暮れも悪くないなと思いました)