8:2の幸せ

こんにちは。足利の学習塾 森戸塾の森戸です。

梅雨による雨が続いています。

教室でプリントを配るときも、紙がものすごく湿気を吸っているのがわかります。

梅雨の雨といえば、以前までは静かに降るイメージでしたが、最近は少し様子が違います。

ここのところ、スマホの防災アプリから、豪雨予報がひんぱんに届きます。

やはり、地球温暖化の影響による、気候の変化なのでしょうか。

何はともあれ、これ以上災害などが起きないことを祈るばかりです。

さて、梅雨が明ければ1学期も終わり、いよいよ夏休みがやってきます。

夏休みといえば、夏期講習です。

すでに、大手学習塾からのダイレクトメールが届いているご家庭も多いのではないでしょうか。

ごていねいに、我が家にもしっかりと届いています。

この大手学習塾の夏期講習ですが、塾業界を知る人間として、保護者様に1つだけアドバイスをさせていただきたいことがあります。

それは「講習後も継続するつもりがないのであれば、申し込みは慎重になったほうがいい」ということです。

夏期講習だけのつもりが、それだけでは済まなくなる可能性があるからです。

大手学習塾にとって、夏期講習をおこなう目的は2つです。

1つは、社員に賞与を出すための原資の確保です。

そして、もう1つは、新たな生徒の獲得です。

どちらも生徒のためではなく、あくまでも塾側の都合によるものです。

特に、新しい生徒の獲得については、現場にきびしいノルマが課せられます。

まず、夏期講習開始に先立って、申込件数の目標が設定されます。

そして、夏期講習終了までに、そのうちの何人の生徒に、継続の申し込み書を書かせることができたかが、入塾率というかたちできびしく追及されます。

大手学習塾には、各教室ごとに、年間を通した売り上げの目標があります。

したがって、ここで生徒数を大きく増やしておかないと、年度末までの目標達成が難しくなります。

それゆえに、現場の職員は、とにかく「なりふりかまわず」といった状態になるわけです。

具体的には、まず、講習生のご家庭に、講習期間中に何度も電話をかけます。

そして、どうにか継続入塾をしてもらえるよう、営業トークをくり返します。

それでも申し込みに至らない場合は、なんと、住宅地図を片手に自宅にまで押しかけるのです。

ひと言でいえば、とにかく「しつこい」のです。

それでもうちは構わないというのであれば、問題ありません。

しかし、知らずに申し込んで、あとからビックリということもありますので、今回、あえて触れてみました。

「塾のくせに、指導そっちのけでそんなことばかりとは、まったくけしからん!」

そう思う方もいらっしゃるでしょう。

しかし、ここは、かつて大手学習塾にいた人間として、少しだけ弁護もさせてください。

これは、ある意味「仕方がないこと」なのです。

大手学習塾は組織の維持に、莫大な経費を必要とします。

何百人もの社員の人件費、何十か所にもおよぶ教室の賃料など、とにかく経費がかかります。

したがって、それを確保するために、多額の売り上げが必要であり、その結果として、つねに大量の生徒が必要となるわけです。

この少子化時代において、大手学習塾どうしのサバイバル競争は、ますます熾烈を極めています。

大手学習塾は、どこも「なりふりかまっていられない」のが現状なのです。

私もかつて、大手学習塾の現場で、きびしいノルマに苦労をしました。

生徒と直接かかわる身でありながら、頭の中は、つねに売り上げのことでいっぱいでした。

生徒のことと、売り上げのことを、いつも「3:7」くらいの割合で考えていたような気がします。

おそらく、ほかの職員も同じだったと思います。

実際に、それが嫌で辞めていく職員も、後を絶ちませんでした。

ちなみに、現在の私のなかでは、2つの比率はだいたい「8:2」くらいです。

私の塾ははとても小さな塾です。

それゆえに、大手学習塾のように、たくさんの経費はかかりません。

したがって、塾を維持するために必要な生徒の数も、さほど多くありません。

しかも、おかげざまで、最近では、春先にはほとんどの席が埋まってしまいます。

そうなると、あとは1年を通して、生徒のことだけをしっかりと考えることができるわけです。

かつての自分と比較すると、とても幸せなことだと感じています。

中3だけではありますが、これから、私の塾でも夏期講習がおこなわれます。

しかし、新たな生徒の募集をおこなう予定はありません。

純粋に、今いる生徒のための夏期講習です。

したがって、私も生徒のことだけを考えて、20日間の授業に集中します。

まさに、大手学習塾時代に理想として思い描いていた状況です。

これが実現できたのも、地域のみなさまが、私の塾を応援してくださっているからにほかなりません。

この感謝を忘れずに、これからも子どもたちのためにがんばりたいと思います。

今日はこのへんで。