親の務め

こんにちは。足利の学習塾 森戸塾の森戸です。

私の塾はJR足利駅から北に伸びる「グランド通り」沿いにあります。

この「グランド通り」には街路樹としてハナミズキが植えられています。

毎年、ゴールデンウイークの頃になると、白やピンクのきれいな花を咲かせ、夏には青々とした葉を茂らせます。

そして、いま、真っ赤に染まった葉が、やわらかな秋の陽に照らされ、キラキラと輝いています。

しばらくすると、この葉も落ち、そのあとは寒い冬の季節がやって来ます。

ハナミズキの木は、季節によってさまざまに姿を変化させます。

このように、すべての物事は時間とともに変化をしていきます。

ずっと同じ姿でありつづけることはありません。

国もそうです。

かつて、日本はアメリカに次ぐ世界第2位の経済大国でした。

しかし、数年前にGDPで中国に追い抜かれ、いまやその差はおよそ3倍です。

この20年間で、まともに経済発展ができなかったのは、先進国の中では日本のみです。

その間、アメリカをはじめとするほかの国では、順調に経済が発展しました。

日本は現在、世界の平均年収ランキングでは20位あたり、1人あたりのGDPでは30位あたりにいて、もはや先進国とはいえない状態になりつつあります。

それなのに、テレビには「日本ってすごい!」と、日本を自画自賛する番組があふれています。

また、ほとんどの日本人が、外国人観光客が日本に押し寄せるのは、日本が魅力的な国だからと信じています。

外国の人たちが日本を旅行先に選んでくれるのはとても嬉しいことです。

しかし、彼らが日本を旅行先に選ぶ理由は、日本が魅力的だからということだけではないのです。

自分たちの国より物価が安いので、あまりお金をかけずに旅行ができるからなのです。

以前、足利市の姉妹都市である、イリノイ州スプリングフィールドから来たアメリカ人の女の子が、我が家にホームステイをしたことがあります。

いっしょに買い物に行くと、彼女はお店に並ぶ商品の価格を見て、とても安いと驚いていました。

日本の中だけにいるとわかりづらいのですが、いまや日本の国の経済はこれほどまでにダメダメな状態になってしまっているのです。

国に勢いがある時であれば、個人もそれに乗って、比較的簡単に豊かになることができます。

高度経済成長期や、バブル期のときがそうでした。

しかし、国に勢いがなければそうはいきません。

まじめに働いたからといって、それだけでは豊かにはなれないのです。

いまから10年ほど前に「ワーキングプア」という言葉が登場しました。

仕事を掛け持ちして働いても、生活がままならない人たちのことです。

当時は「そんな人もいるんだ」ぐらいの認識しかありませんでしたが、いまではまったく珍しいことではありません。

多くの企業が社員の副業を認め、昨日、過去最高益を上げたトヨタでさえ、社長自らが、これからは終身雇用は保証できないと言っています。

これからの日本は、ますます普通に生きていくのが大変な国となっていくのです。

私たち親世代は、しっかりと認識しなければなりません。

自分たちの世代が生きる日本と、子供たちの世代が生きるこれからの日本では、ほとんど別の国と言ってもいいほどの違いがあるということを。

自分たち親世代が、どうにかなっていたことでも、子供たちの世代ではどうにかなるとは限らないのです。

ですから、まずはそのような前提に立ち、いま、子供に何をしてあげるべきか、そして、何をさせるべきかを考えなければならないのです。

もちろん、悲観論ばかりではいけないのはわかっています。

日本を愛する一人の日本人として、これからこの国が少しでも明るく、そして、いい方向へ向かってくれることを私自身も願っています。

しかし、いまの日本には、これから先を楽観視できるような材料はほとんどありません。

だからこそ、どんな時代が来ても生きていけるよう、そのための準備をしっかりと子供にさせておくのも親の務めなのです。

今日はこのへんで。