塾の風景」カテゴリーアーカイブ

経験があるから伝えられる“安心”という力

気がつけば、ここのところブログをほとんど更新できずにいました。

いろいろとバタバタしているうちに日々が過ぎ、気づけば季節はすっかり夏から秋へ。

ほんとうに久しぶりの更新になってしまいました。

ここのところ、めっきり気温も下がってきたようです。

朝晩はほんとうに気温も低く、教室に来る生徒たちの服装も、Tシャツなどの半袖姿からだんだんと秋仕様になってきました。

しかし、最近では秋がとても短く、まるで夏から一気に冬に飛び込むように感じます。

ついこの前まで扇風機がフル稼働だったのが、しまう間もなく今度はファンヒーターの出番となりそうな気配。

年々、季節の移り変わりの早さに驚かされます。

さて、現在、森戸塾では中学3年生の三者面談を行っています。

人数が多いため、2回の日曜日に分けての実施です。

先日、1日目が無事に終了しました。

普段はなかなか保護者の方と直接お話をする機会が少ないため、こうした面談は、家庭内での様子やお子さんのより細かな状況を知る貴重な機会になっています。

保護者の方から「家ではこんな様子です」「最近は焦ってきたようで…」などのお話を伺うことで、塾での姿とのギャップや共通点が見えてきます。

その情報は、今後の指導に活かすうえでも非常に大きな意味を持っています。

また、保護者の方々の疑問や不安に直接お答えすることができるのも、この三者面談の大きな意義です。

受験に関する具体的な質問から、家庭学習の取り組み方、メンタル面の支え方など、幅広いご相談をいただきます。

少しでも不安を軽くし、受験までの道のりを明るく前向きに歩んでいただけるよう、できる限り丁寧にお話をさせていただいています。

今回の面談でも、「直接話せて安心しました」「モヤモヤが晴れました」といったお言葉をいただき、私自身もうれしく思いました。

じつは森戸塾では、このような三者面談以外でも、保護者様とのコミュニケーションをとても大切にしています。

たとえば、毎回の定期テスト後には、保護者様からコメントやご質問を手書きの文書やメールでお寄せいただく機会を設けています。

そこには、家庭での勉強のサポートの仕方、苦手科目の克服方法、子どもへの声かけの仕方など、さまざまなご相談が寄せられます。

それら一つひとつに、私はできるだけ時間をかけて丁寧に返事を書くようにしています。

お忙しい中でも、お子さんの成長を真剣に考えておられる保護者様ばかりで、返信を通してその熱意に触れるたびに、こちらも身が引き締まります。

ありがたいことに、「丁寧に答えてもらって安心しました」「先生に相談できてよかったです」と感謝のお言葉をいただくことも多くあります。

そうした声を聞くたびに、やはり「塾とは、子どもだけでなく保護者からも信頼されてこそ本物だ」と強く感じます。

子どもたちにわかりやすく教えること、勉強のモチベーションを高めることは、塾として当然の役割です。

しかしそれに加えて、保護者の方々にとって信頼できる相談相手であり、教育の良きパートナーであることこそ、地域の塾として果たすべき使命だと思っています。

幸いなことに、私自身、塾講師という仕事を始めてすでに四半世紀が過ぎました。

この地域で数えきれないほど多くの生徒たちに接してきたことで、教育現場での経験値は誰にも負けないと自負しています。

保護者様から寄せられるご相談にも、たいていのことには明確な答えをお返しできるだけの蓄積があります。

また、これまでの指導の中で得てきた数々の「成功と失敗」の事例も、私の中ではすべてが貴重な財産になっています。

さらに、私は3人の子どもの父親でもあります。

つまり、「塾の先生」であると同時に「保護者の一人」でもあるわけです。

子どもの勉強や受験に頭を悩ませたり、心配したりする気持ちは、他の保護者様とまったく同じ。

だからこそ、相談を受けるときには「同じ親の立場」としての視点も大切にしています。

保護者様がどんなときに不安を感じ、どんな言葉で安心できるのか――その感覚を共有できることが、私の強みのひとつだと思っています。

森戸塾は「子どものための塾」であると同時に、「保護者様にとっても心強い存在」でありたい。

その思いをいつも胸に、日々の指導とコミュニケーションにあたっています。

塾の講師という仕事において、若さはたしかにひとつの武器です。

生徒に近い感性で、テンポのよい授業や親しみやすい対応ができるのは、若い先生の大きな魅力でしょう。

しかし、50歳をとうに過ぎた今、はっきり感じることがあります。

それは、いま私が行っている指導の「質」や、保護者様への対応の「深さ」は、20代や30代、そして40代のころの自分には絶対に出せなかったということです。

経験を重ね、さまざまな親子と関わってきたからこそ見えるものがある。

だから最近では、「歳を取るのも悪くないな」と素直に思えるようになりました。

これからも、子どもたち一人ひとりに寄り添い、保護者様と手を取り合いながら、森戸塾としての「質の向上」に努めていきたいと思います。

季節は秋を経てこれから冬へ。

受験へ向けて、生徒たちとともに歩む毎日が続きます。

これからもどうぞよろしくお願いいたします。

今日はこのへんで。

(写真は先日、教室の窓から見えた夕焼けの風景です。雲の形がとても幻想的で思わず見入ってしまいました)