こんにちは。足利の学習塾 森戸塾の森戸です。
どこにも出かけれらない日曜日が続いています。
栃木県は他の県とくらべると、感染状況がやや落ち着いていますが、それでも以前のように気軽に出かけるのを躊躇してしまいます。
昨日の日曜日も家で1日過ごしました。
小学生の息子も退屈そうです。
そこで、前に買ってあったガンダムのプラモデルを渡しました。
少し前までは、私が作ってあげていたのですが、最近になって、ようやく1人で作れるようになりました。
とは言っても、1人では難しいところもあるので、そのような部分は私が手伝ってあげています。
私がすべて作ってあげていた頃は、完成したものを渡しても、さほど嬉しそうではありませんでした。
しかし、自分で作るようになってからは、出来上がったものを眺めながら、とても満足そうです。
やはり、自分で作った達成感があるのでしょう。
何はともあれ、ガンダム世代である私にとって、息子が自分と同じものに興味を持ってくれるのは、とても嬉しいことです。
さて、中間テストが終わり、生徒たちの結果が出始めました。
定期テストが終わると、毎回、保護者様からのご相談が増えます。
そのなかで最も多いのは、苦手教科の克服方法についてです。
「うちの子、英語が苦手なんですが」
もちろん、そのような質問に対しては、勉強方法などをできる限りくわしくアドバイスさせていただいています。
しかし、苦手教科の克服には、具体的な勉強方法の前に、心理面の改善が必要な場合もあります。
したがって、今回は、保護者様にふだんはあまりすることのない、子どもたちの心理面に着目したアドバイスを書いてみたいと思います。
さきほどの保護者様のセリフのなかに「苦手」という言葉が出てきました。
このような言葉を、相談などの折に、私に向かって使うのは構いません。
しかし、お子さんに対しては、なるべく使わない方がいいでしょう。
例えば、こんなふうにです。
「えっ? 今回もこんな点数なの? ◯◯ちゃんって、英語が苦手だよね~」
使ってはいけない理由は、言葉にはとても強い影響力があるからです。
特に、親の言葉が子どもにあたえる影響は絶大です。
先ほどの言葉を聞いて、子どもはこう考えます。
「そうだよね。私って英語が苦手なんだよね」
何となくそう思っていたことを、親からの言葉で、あらためてはっきりと自覚するのです。
「苦手なんだから、もっとがんばりなさい!」
親としては、こう励ますつもりで言ったのかもしれません。
しかし、子どもの意識はそうは捉えません。
「苦手なんだから、できなくっても仕方がないよね」
このように、自分が点数が取れないことには理由があり、それは仕方がないことであるといった、間違った「思いこみ」を持つようになるのです。
そして、そのようなことが何度か積み重なっていくうちに、りっぱな「苦手意識」が形成されていくのです。
人間は無意識のうちに、他人の言葉によって、自分がどんな人間であるかを決めています。
したがって、保護者様が日々お子さんに投げかけている言葉が、お子さんを創り上げているといっても過言ではありません。
そうであればこそ、お子さんに使う言葉について、少しだけ気をつけてみる必要があるかもしれません。
また、そのいっぽうで、お子さん自らが使う言葉についても、気をつけてあげる必要があります。
我が家では、子どもたちが、安易に使うことを許していない言葉があります。
「むずかしい」と「わからない」です。
例えば、問題をパッと見ただけで、深く考えようともせずに言ったりすることは許しません。
人間は自分自身の言葉によっても強い暗示を受けます。
ですから、このような言葉を声に出して言ってしまうと、その通りの暗示を受けます。
実際は、たいして難しい問題ではなくても、本当にそのように思えてきてしまうのです。
そして、真剣に取り組む気力が失われていくのです。
最近は、ポジティブシンキングという言葉をよく耳にします。
何事も前向きに、そして積極的に考えようというものです。
自己啓発系の本などを読むと、自分の能力を最大限に発揮するためには、ポジティブシンキングが欠かせないと書いてあります。
しかし、本当はそうだと思っていないことを、無理に思いこもうとしても、なかなかうまくいきません。
人類は物事をネガティブに捉え、それを前もって回避することによって進化してきました。
ですから、人間本来の性質を考えると、ポジティブシンキングには限界があるのです。
したがって、得意ではないものを、無理に得意だと考える必要はありません。
ただ、思考が過度にネガティブな方向へと傾くのを防ぐために、使う言葉を選ぶことはとても重要です。
お子さんとの会話の際は、少しだけ気にしてみるのもいいかもしれません。
今日はこのへんで。