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これなんか違うんじゃないか?

こんにちは。足利の学習塾 森戸塾の森戸です。

夏に息子が飼っていたカブトムシが卵を産みました。

現在では幼虫となり、時おり土の中でモゾモゾと動いています。

私自身も子どもの頃、カブトムシを卵から幼虫、幼虫からさなぎ、さなぎから成虫へと育てたことがあります。

しかし、せまい飼育ケースにたくさんの数を入れて育てたため、成虫となったカブトムシはどれもかなり小ぶりなものとなってしまいました。

そのときの反省から、今回は飼育ケースの数を増やし、栄養分たっぷりの土とエサとなる朽ち木を用意しました。

来年の夏に立派な成虫となるように、息子と一緒にしっかりと世話をしたいと思います。

さて、早いもので間もなく10月です。

私の塾では10月になると中3生の三者面談があります。

この面談は11月に行われる中学校での三者面談に先立って行われるもので、志望校の確認やそれに向けての対策などを話し合うためのものです。

毎年この面談で、志望校にまだ成績の届いていない生徒の保護者様からこう質問されます。

「先生、でも受ける学校、もう来月中に決めなくちゃいけないんですよね?」

中学校での三者面談で決まったことは、その後もう変更することができないと思っているようです。

なぜそのような誤解が生じるかというと、中学校の先生の中には、11月の面談で決めた内容の変更をその後頑として受けつけない先生がいるからです。

しかし、これはかなりおかしな話です。

12月から出願が始まる私立高校であればともかく、県立高校であれば一般選抜の出願は2月の後半からです。

また、願書締め切りのあとにも、出した願書を差し戻してもらったうえで、違う学校へ出願しなおすことができる願書変更期間という制度もあります。

したがって、受験生は入試本番の直前まで、志望先を自由に変えることが可能であり、それは受験生に認められた正当な権利なのです。

今回、なぜこのような話をしているかと言うと、受験生の学力はまだ秋の時点では確定することができないからです。

現在志望校に対して学力が不足している子でも、今後学力が伸びて志望校に合格することができる可能性は十分にあります。

もちろん、いま現在しっかりと受験勉強に取り組んでいるという前提での話です。

したがって、私の目から見てしっかりと勉強に取り組んでいる子の場合、たとえその時点で成績が足りていなくても、志望校の変更は必要ないと伝えます。

とりあえず目標はそのまま変えずに、2月まではしっかりと勉強をつづけ、もしそれでも足りないようであれば、その時点で変更を考えなさいとアドバイスをします。

これにより、結果として毎年たくさんの生徒たちが初志を貫き、見事に志望校に合格していきます。

したがって、秋の時点で出願先を決めてしまい、その後の変更を受けつけないということは、生徒の努力を否定して、その子の持つ可能性を奪ってしまっていることになると言えます。

もし中学校の先生がそのような方針であった場合は、お子様からではなく、保護者様のほうからしっかりと権利を主張なさったほうがいいかもしれません。

そもそも受験生の成績の伸び方は一次関数のような直線ではありません。

勉強の時間に比例して、それにともなう形で順調に成績が伸びていくわけではないのです。

どちらかといえば、二次関数の放物線がそれに近い形です。

一生けんめいに勉強をしていても、始めのうちはなかなか成績が伸びません。

「このまま勉強を続けてもほんとうに成績が伸びるのかな?」

真面目に勉強している子ほどこう不安になります。

しかしその状態に耐えてしばらく勉強を続けていると、ある時期を境にして急激なカーブを描きながら成績が上昇するのです。

これこそが、真面目な受験生によく見られる 典型的な成績上昇のパターンなのです。

春先に偏差値が40台しかなかった子が足高に合格。

学校の先生から私立の単願を勧められた子が県立の志望校に合格。

このように、私の塾においてもその例は枚挙にいとまがありません。

話はいきなり飛びますが、私は大学生のときにある全国規模の大手学習塾で時間講師のアルバイトをしていました。

その塾でおこなわれた秋の三者面談でのことです。

その塾では最終面談は正社員がおこなうことになっていたのですが、私も自分の担当する生徒の面談に同席させてもらいました。

すると、正社員の講師が、それまで生徒たちが掲げてがんばってきた志望校をことごとく無理と一蹴して、すべてその時点で確実に合格できる学校に変更させてしまったのです。

「これなんか違うんじゃないか?」

本来最後まで生徒たちの味方であるべき学習塾が、早々に生徒たちのがんばりに見切りをつける姿を見て大きく幻滅をしました。

おそらく、そんな若き日の記憶もあり、それが現在の私の姿勢につながっているのかもしれません。

今日はこのへんで。

(先日、ふだん使う新しいお皿を買うために益子に行ってきました。栃木県に住み始めて20年あまりになりますが、益子を訪れたのは今回が初めてでした。陶器のお店がいろいろとあり、見て歩くだけでも十分に楽しめました。帰りは餃子のみんみん茂木店で焼餃子と水餃子を食べて、半日ほど栃木の魅力を満喫してきました・笑)