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冬の気配とともに──期末テストで「うっかりミス」を減らすには

11月になりました。

朝晩の冷え込みがぐっと強まり、外を歩く人の服装もだんだんと冬の装いに近づいてきました。

ここのところ毎年のように思うのですが、秋が本当に短く感じます。

夏の暑さがようやく終わったと思うと、ほっとする間もなく今度はいっきに寒くなり、季節の移り変わりがまるで駆け足のようです。

この急激な気温の変化に体調を崩してしまう生徒も少なくありません。

寒暖差に加え、疲れがたまりやすい時期でもあるため、体調管理が大変ですが、今こそしっかりと気をつけていきたいところです。

我が家でも、先日ついにリビングにファンヒーターが登場しました。

スイッチを入れてしばらくすると、あの懐かしい温風が出始め、ふわっと漂う独特の匂いに「冬がきたな」と感じました。

毎年同じことのはずなのに、その瞬間にはやはり季節の節目を感じます。

さて、11月といえば、今月末から各中学校で期末テストが実施されます。

2学期の締めくくりであり、特に3年生にとっては内申点を左右する大切なテストです。

1・2年生にとっても、学年後半へ向けた重要なステップになります。

テストが終わると、毎回のように聞こえるのがこんな声です。

「テストのときはできたつもりだったのに、点数を見たら思ったより取れていなかった…」

原因をよくよく調べてみると、意外に多いのが「ケアレスミス」です。

計算ミスや符号ミス、単純な見落とし…。

ほんの少しの注意で防げたはずのミスが重なり、点数を落としてしまう生徒が少なくありません。

では、どうすればケアレスミスを防げるのでしょうか。

よくありがちなアドバイスとしては、「次回からはもっと慎重に」とか「しっかりとあせらないように」などがありますが、実際のところ、それだけでミスを完全に防ぐのは難しいものです。

人は「気をつけよう」と思っても、テスト本番では緊張や時間のプレッシャーで普段通りにいかないことが多いからです。

そこでおすすめしたいのが、「自分のミスのパターンを分析すること」です。

まず、過去2〜3回分のテスト問題と自分の解答用紙を用意してみてください。

そして、それらを細かく見直しながら、どんな場面でどんなミスをしているかを具体的に調べます。

たとえば――

・小数を含む方程式で、左右両辺に10や100をかける際、小数を含む項にはかけているが、もともと整数の項にかけ忘れている。

・計算の途中で、マイナスの符号をうっかり書き忘れてしまっている。

・グラフ問題で、直線は右下がりなのに、求めた傾きは正の数になっている。答えを書く前にもう一度グラフを見直せば途中の計算ミスに気づけたのに、そのまま解答欄に書いてしまった。

このように「どんなミスを」「どんな状況で」しているのかを、必ず紙に箇条書きで書き出してください。

頭の中でなんとなく「気をつけよう」と思うだけではダメです。

紙に書くことで、自分の間違いのクセを“見える化”でき、自覚を強く持つことができます。

すると次のテストでは、同じような場面に出くわしたときに「ここ、前にミスしたところだ」と意識が働くようになります。

その結果、以前よりも慎重に確認するようになり、自然とミスが減っていくのです。

これをテストが終わるたびに繰り返すことで、自分の弱点がどんどん減っていきます。

スポーツで考えるとわかりやすいかもしれません。

ただやみくもに練習を繰り返しても上達しないことは、スポーツをしている人であれば誰もが知っていることです。

フォームや動きを動画などで確認したり、指導者にアドバイスをしてもらうなどして、自分の弱点や改善ポイントを明確にしたうえで練習を重ねるからこそ、確実に上達していくのです。

勉強もまったく同じです。

「時間をかけて勉強しているのに成績が上がらない」という生徒は、努力の方向性が正しいかをいま一度見直してみる必要があるかもしれません

効率のよい成績アップを実現するためには、まず自分のクセや弱点を正しく知り、それを意識してカバーしていくことが大切です。

それによって、普段の努力を最大限に結果へと結びつけることができるのです。

今日お話しした内容は、あくまで一例にすぎませんが、森戸塾では「勉強の中身」だけでなく、こうした「勉強の仕方」「考え方」「心構え」についても指導しています。

長年の経験から得た具体的な工夫や、ちょっとした裏技のような勉強法も、日々の授業の中で生徒たちに伝えています。

私が学生だった昭和から平成初期のころは、勉強でもスポーツでも「とにかくやれ!」「根性で乗り切れ!」という時代でした。

もちろん、それで力がつくこともありましたが、いまの時代には合いません。

令和の時代は、何事においても「正しい方法を知り、効率よく行う」ことが求められます。

努力すること自体は大切ですが、やり方を間違えたまま頑張っても成果にはつながりにくいのです。

これからも、授業そのもののわかりやすさを追求するのはもちろんのこと、生徒たちが最小限の努力で最大限の結果を得られるような方法論を、さらに研究していきたいと考えています。

季節は冬へと向かい、期末テスト、そして受験へと続く大切な時期に入ります。

体調を整えながら、一歩ずつ確実に力を積み上げていきましょう。

努力の方向を間違えなければ、必ず結果はついてきます。

今日はこのへんで。

(写真は先日の日曜日に教室から撮った風景です。この日は午前中から中3生の三者面談があり、朝の9時ごろ教室に入りました。空気を入れ替えようと窓を開けると、鮮やかな秋の青空が広がっていました。最近は秋がだいぶ短くなってしまったので、秋を感じることのできる貴重な瞬間でした)