投稿者「johnny」のアーカイブ

閉ざされた社会

こんにちは。足利の学習塾 森戸塾の森戸です。

先日、インターネットにこんなニュースが載っていました。

大手学習塾「臨海セミナー」に同業19社が抗議 「悪質勧誘」「合格者水増し」告発される12/10 (木) 11:43配信 J-CASTニュース)

神奈川県を中心に、首都圏一帯に教室を展開する「臨海セミナー」という大手学習塾があります。

神奈川県ではかなり有名な大きな塾です。

今回、そこが行っている強引な生徒勧誘や、難関校合格者数の集計方法について、同業他社19社が「モラルに欠けていて社会的に容認できない」として、業務改善などを求める申し入れ書を連名で送付しました。

申し入れ書によれば、臨海セミナーは塾生から学校の友人の中で成績優秀な子の名前・通っている塾・志望校などの個人情報を聞き出し、本人に無断でリスト化していたそうです。

そして、リストアップした子に対して執拗に「営業電話」をくり返したり、塾生を通じて模試やアンケートを渡し、それが講習などの申し込みにつながれば、塾生に図書カードなどの金券類を与えていたりしていたそうです。

また、このようにして模試を受けたり、アンケートに答えた子が難関校に合格した場合、通っていた実態がないのにもかかわらず、臨海セミナーの生徒として合格実績に加えていたようです。

私はこの記事を読んで、特に驚きもしませんでした。

なぜなら、このようなことは臨海セミナーに限らず、大手学習塾では昔から当たり前におこなわれてきたことであり、かつて私が在職していた学習塾でも、似たようなことがおこなわれていたからです。

学習塾は「教育産業」と呼ばれています。

そして、そこで働く人たちは、生徒や保護者から「教育者」として見られています。

しかし、どうして「教育者」であるはずの人間が、およそ教育からは程遠いこのような行為に手を染めてしまうのでしょうか。

(以下、J-CASTニュースからの転載です)

ある元社員は、 「こうした環境にいると自然とそれが自分の中に染み込み、世間一般の良識や常識を塗り替えていってしまい、数字を出せばほめられて、それだけが正義になります。素直で真面目な若手は染まるのも早く、壊れて退職していく流れになります。基本的にブロック長以上の人間は対話でマウントを取るタイプの人間がほとんどで、人の話をまったく聞きません。それこそ上司が言えばカラスも白くなります。そんな中で追い詰められた日々を送っていくと、立場に比例して自分の人間力・実力が高まったと勘違いする人間も少なくありませんでした」 と証言し、別の元社員は「自分がやってしまった行為は社会的に恥ずべき行為であり、塾講師としてのモラルに欠けるものだと思います」と後悔を口にする。

学習塾は「閉ざされた社会」です。

学習塾で働く人間は、基本的に仕事を通じて他社や他業種の人と接することがありません。

また、働く時間帯が一般的な会社とは異なっており、日曜日や祝日もほとんど出勤のため、会社以外でのプライベートな人間関係が希薄になりがちです。

さらには、1日の労働時間が当たり前のように12時間を超えるブラックな業界のため、学習塾で働く人間にとっては、会社こそが「世界のすべて」となります。

したがって、会社の人間関係こそがすべての人間関係であり、それゆえに経営者や上司の言うことは絶対ということになります。

ですから、それが社会的に間違っていても、決して「おかしい」と言えるような雰囲気ではありません。

社員は、ほぼ「洗脳」に近い状態に置かれ、それを受け入れた人間しか長く働くことができないのです。

ちなみに、私はそれを受け入れられなかった人間です。

私が大手学習塾を辞めて、自分の塾を開こうと思った理由はいくつかありますが、その中でも特に大きなものとして、つぎようなものがありました。

このままこの会社にいたら、自分の中の「正しさ」の基準が、どんどん一般社会から離れていってしまう。

大手学習塾に在職していた当時、私にはいつもこのような危機感がありました。

その危機感が、独立に向けて私の背中を強く押したことは間違いありません。

それから18年が経ちました。

自分の中の「正しさ」の基準は、果たして適正に保たれているのでしょうか。

もちろん、それを判断するのは私ではありません。

世間の人々です。

しかし、私はつねに正しくありたいと願っています。

そして、そのための努力は惜しまないつもりです。

そこで今回、私は大きな決断をしました。

塾の授業が始まるまでの昼間の時間を使って、行政書士の事務所を開くことにしたのです。

以前の記事にも書ましたが、私は塾の仕事の傍ら法律の勉強に取り組み、昨年度の行政書士試験に合格しました。

その資格を活かして、夜は今まで通り生徒たちの指導にあたるいっぽう、昼は行政書士として、さまざな問題で困っている方たちのお手伝いをしたいと考えています。

塾の世界から一歩足を踏み出し、さまざまな経験を積むことによって人間性を磨き、それを子どもたちの指導に活かしていくつもりです。

子どもたちの前には無限の世界が広がっています。

したがって、子どもたちを導く人間ほど、視野を広く持たなければなりません。

ですから、これからはさらに視野を広げるべく、塾の先生としてだけではなく、行政書士としても、地域の皆様から信頼していただけるようがんばりたいと思います。

今日はこのへんで。