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脱・ぬるま湯宣言

こんにちは。足利の学習塾 森戸塾の森戸です。

中3の夏期講習で忙しかったために、だいぶ久々の更新となってしまいました。

9月からは「受験対策講座」も始まり、いよいよ中3は本格的な受験体制に入りました。

これからの半年間、塾生全員が志望校合格を勝ち取れるよう、精一杯指導していきたいと思います。

さて、来年度から足利高校と足利女子高校が合併し、新しい足利高校となります。

募集定員は240名となる予定です。

合併前の募集定員は、足利高校と足利女子高校でそれぞれ160名だったので、両校合わせて320名でした。

したがって、今回の合併によっていっきに80名も定員が減ったことになります。

この数字を初めて聞いたときに思ったのは、だいぶ大きく削ったなということです。

もちろん、子どもの数が大幅に減少することに合わせての削減であることは、承知しています。

しかし、合併校とはいえども、1つの学校でいっきに80名も定員が削られたことは、今までなかったように記憶しています。

実は、この80名削減には、教育委員会のある意図が含まれています。

それは、足利の県立進学校を本来のレベルに戻すということです。

このブログでもたびたび書いてきたように、現在の足利高校と足利女子高校は、すでに進学校のレベルにはありません。

少子化により、高校入試の競争が緩和されたことによって、ここ20年間ほどで大幅にレベルダウンをしてしまったのです。

一般的に「進学校」とは、最低でも偏差値が60を超えていないと、合格することができない高校を指します。

お隣の太田高校も太田女子高校も、同じ県内の栃木高校も栃木女子高校も、偏差値60以上の学力がなければ合格できません。

もちろん、かつては足利高校と足利女子高校もそうでした。

しかし、現在の足高と足女は、偏差値50を少し超えたあたりからでも合格が可能です。

ちなみに、合格者の平均偏差値は54から56程度しかありません。

このようなレベルの学校を、足利以外の地域では「進学校」とは呼びません。

したがって、足高や足女を進学校だと思っているのは、もはや足利市内の人間だけなのです。

足高と足女がすでに進学校ではないことを裏付ける証拠に、両校の進学実績があります。

他の進学校にくらべて、大幅に見劣りしたものになっていて、国公立大学や有名私立大学に合格できるのは、ほんの一握りの生徒のみです。

ほとんどの生徒は無名の私立大学に進学しています。

昔であれば、足高生や足女生になるということは、その3年後に有名大学の学生になるということを意味していましたが、いまや、それは成り立ちません。

有名大学の学生になれるのは、高校入試の段階ですでに偏差値60を超えていて、仮にほかの進学校を受験しても、合格できるだけの力がある子だけです。

そのような現状から、今回、教育委員会が下した結論が、定員80名削減というわけです。

本来であれば進学校の生徒になれないはずの生徒をシャットアウトして、合併校のレベルアップを図りたいということなのです。

したがって、これから合併校を目指す生徒は、従来までのレベルを想定した勉強では合格はできません。

目指すレベルは最低でも偏差値60です。

下野テストで偏差値60台を取れる子は、足利の中学校では、どんなに甘く見積もっても上位10パーセントまでです。

それ以下の学力では、下野テストで60を超える偏差値を取ることはできません。

従来までであれば、上位20パーセントを下回る子でも、足高や足女には合格できました。

それを考えると、いっきにハードルが上がった感じです。

こうなると、中学校のかなり早い段階から、しっかりとした勉強をしておかなければ合格できません。

3年生になってから本気を出していたのでは、とても間に合わないのです。

ところで、今回の定員減が、そのほかの高校の入試に与える影響はあるのでしょうか。

実に「おおあり」です。

昨年までであれば、足高か足女に入れるはずだった生徒が、はじき出される形でほかの高校に流れます。

具体的には、佐野東高校や清風高校(普通科)の倍率が上がると予想されます。

そして、昨年までであれば、それらの高校に入れるはずだった生徒が、さらにはじき出される形でほかの高校へと流れます。

つまりは、すべての県立高校が入りにくくなるということです。

受験生や保護者様にとっては頭の痛い話だと思いますが、私はこれでOKだと思っています。

足利地区の高校入試は、今まであまりにもぬるま湯すぎました。

さほど勉強しなくても、希望する高校に合格できてしまう状況では、子どもたちは一生けんめいに勉強をしません。

この長く続いてきたぬるま湯のおかげで、足利の子どもたちは、勉強に対してだいぶ甘い認識を持っています。

私個人としては、今回の動きが、子どもたちの認識を引き締めるきっかけになってくれればと考えています。

今日はこのへんで。

(写真は北海道は積丹半島の神威岬からの風景です。駐車場から歩くことおよそ30分。絶景は苦労のその先にありました・笑)