こんにちは。足利の学習塾 森戸塾の森戸です。
今日は県立高校の一般選抜試験です。
今、これを書いているのは午後の2時ごろですが、おそらく理科の試験がおこなわれている頃だと思います。
というわけで、昨日は中3最後の授業でした。
毎年のことですが、中3の最後の授業は少しだけ感傷的になってしまいます。
これまで当たり前のように顔を合わせてきた生徒たちに、これからは定期的に会う機会がないと思うと、とても寂しい気持ちになります。
小学生の時から通っている子の場合は、4年から5年ものつき合いです。
しかし、受験勉強を通してたくましく成長した姿を見ると、何だかあっという間の時間だったような気もします。
とにかく、これまで積み上げてきた実力をしっかりと出して、全力で戦ってきてもらいたいと思います。
さて、学習塾といえば、授業料の支払い方法は「月払い」が基本です。
しかし、なかには「年払い」を求める塾もあるということを耳にします。
「そりゃ、絶対あかんやろ」
これが授業料の「年払い」に対する私の考えです。
年払いは、学習塾側からすればとても「おいしい」仕組みです。
途中で生徒がやめてしまっても、売り上げだけは確保できるからです。
しかし、通う側からすれば、まったく「おいしくない」仕組みです。
仮に途中で塾を変えたいと思っても、簡単にはそうできなくなってしまうからです。
「この塾ダメだな」と思っても、すでに払ってしまった何十万円ものことを思うと、なかなか思い切った決心ができません。
そうこうしているうちに時間が過ぎ、入試の直前になって「さあ、どうしよう」という状態になってしまいかねません。
「塾はダメだと思ったら途中で変えるもの」
この前提から考えると、授業料の「年払い」は、絶対にあり得ない仕組みなのです。
ですから、良心的な経営を心がけている塾の経営者であれば、絶対に取り入れない仕組みなのです。
ここで、少し塾業界の内情をお話しします。
学習塾にとっては、4月から6月は最も売り上げが低い時期にあたります。
ほとんどの学習塾が、この時期の赤字を後半の黒字で埋めるかたちで経営をしています。
しかし、体力がない学習塾や経営状態の悪い学習塾は、この赤字の時期を乗り切ることができません。
したがって、うがった見方をすれば、年払いを求める学習塾は、この時期の赤字を乗り切ることができないほどに経営状態が悪化している可能性もあるわけです。
「少子化」と「不景気」のダブルパンチで、学習塾はかつてないほどの「冬の時代」です。
かつて興隆を極めていた学習塾のいくつもが、みるみる間に縮小を続け、いまや見る影もない状態になっています。
いくら「有名だから」と言っても、いまや順風満帆な経営状態の学習塾などはありません。
したがって、これからは年度の途中で「倒産」という学習塾が数多く出てきてもおかしくないのです。
そのようになった場合、年払いで支払った授業料は、もちろん戻ってきません。
かつて、英会話の「NOVA」が倒産した時にも、このことが大きな問題となりました。
すでに数十万円というレッスン料を支払ってしまっていた多くの受講生は、泣き寝入りをするしかありませんでした。
学習塾の授業料を「年払い」で支払うということは、自分の身にこれと同じことが起こるかもしれないということなのです。
以前、私の塾と取引をしていた事務機器の販売店が倒産しました。
担当の営業さんが、いつものように「こんにちは」と入ってきて、いきなりこう言いました。
「弊社このたび倒産いたしまして」
「えっ?」
あまりに突然のことだったので思わず聞き返してしまいました。
その営業さんも含めて、ほとんどの社員は、その当日まで会社が倒産したことを知らなかったそうです。
その日の朝、出勤すると会社の入り口に1枚の紙が貼ってあり、それによって自分たちの会社が倒産したことを知ったそうです。
会社内部の人間ですらわからなかったわけですから、私のような外の人間にはわかるわけがありません。
ですから、学習塾の場合も、外から見ているだけでは、本当の経営状態はわからないのです。
しっかりと経営しているように見えて、中身はボロボロということも普通にあるわけです。
特に多くの社員と教室をかかえている、いわゆる大手学習塾の場合は、十分にあり得る話なのです。
ここで、危ない塾の見分け方をいくつか紹介しておきます。
まずは「年払い」をさせたがる塾です。
つぎに、やたらと自分のところで「検定試験」や「模擬試験」を受けさせたがったり、何かにつけて「料金」を取ろうとする塾です。
また、それまでその塾が展開していなかった地域で、積極的に教室展開をしている塾も要注意です。
既存教室のマイナスを、新規開校で補おうと必死になっているのです。
今回は、かなり濃いウラ話となってしまいましたが、ぜひ参考になさってください。
今日はこのへんで。