本番はここから

こんにちは。足利の学習塾 森戸塾の森戸です。

3月になると同時に、とても嬉しい知らせが飛び込んできました。

小山高専を受験した生徒が見事に合格を果たしました。

またひとり、第一志望の合格者が増えました。

残すは、8日に実施される県立高校の一般選抜入試です。

全員合格を目指して、いよいよラストスパート開始です。

森戸塾では毎年、一般選抜入試直前に集中授業をおこないます。

7日間にわたる授業で、1教科あたりプラス10点、5教科合計で50点アップを目指します。

これで、合格がより確実なものとなります。

今年もさっそく昨日から始まりました。

教室には生徒たちの熱気が満ち満ちていて、彼らの真剣さと気合がビシビシと伝わってきます。

それに刺激されてか、私もついつい、いつも以上に指導に熱が入ります。

1日3時間の授業ですが、ほんの1時間くらいの感覚で、あっという間に終わってしまいます。

それくらい、生徒たちも私も集中しています。

さて、この集中授業ですが、中3生にとってはこれが「3月分の授業」に相当します。

授業ですから、本来であれば「授業料」を頂戴してもいいはずです。

しかし、私は毎年、この授業を無料でおこなっています。

時間と日数から考えて、本来であれば3万円ほどの授業料をいただくことができるかと思います。

よその塾を見てもだいたいこれくらいが相場のようです。

塾によっては「これが最後」とばかりに、もっと高額の授業料を取っているところもあります。

しかし、私はいっさい費用をいただいていません。

大変生々しい話で恐縮ですが、もし1人あたり3万円の授業料をいただいたとすれば、合計で30万円を超える売り上げとなります。

正直、喉から手が出るほど欲しい金額です。

なぜなら、生徒の卒業をともなう春の時期は、学習塾にとって、1年の中で最も売り上げが安定しない時期だからです。

ご商売をされている方ならご存知かと思いますが、商売には毎月さまざまな「固定費」がかかります。

私の場合で言うと、テナントの賃料や光熱費、事務機器のリース料などがそれです。

これらの「固定費」は売り上げにかかわらず、毎月決まって一定額が必要となります。

ですから、春はほとんどの学習塾が赤字なのです。

そして、夏以降の売り上げで、その赤字をどうにか埋め合わせているのが現状なのです。

これは、私の塾に限らず、ほとんどの学習塾がそうです。

しかし、それでも私は、毎年中3生の保護者様から最後の授業料をいただきません。

その理由は2つあります。

まず、1つ目は「感謝」です。

前回も同じことを書きましたが、足利にはたくさんの学習塾があります。

それこそ、私の塾より規模が大きく、はるかに有名な塾もたくさんあります。

そのような中で、わざわざ私の塾を探してくださったことに対する感謝。

私のことを信頼してくださり、大切なお子様をお預けくださったことに対する感謝。

私の塾のことをご評価くださり、たくさんの方に大変ありがたい口コミを広めてくださったことに対する感謝。

挙げればきりがないほど、保護者様には感謝の気持ちでいっぱいです。

このように、お世話になりっぱなしの保護者様に何かお返しができないかと考え、そして出た結論が、この「無料」というわけです。

2つ目の理由は「同じ子を持つ親として」です。

子どもの教育には本当にお金がかかります。

義務教育は無償といっても、部活にかかる費用であったり、塾代であったりと、実にさまざまな費用がかかります。

また、高校や大学に進めば、さらにたくさんの費用が必要となります。

ちなみに、大学の授業料は国立でも年間50万円ほどです。

私立であれば100万円以上です。

このように、日本は子どもの教育にとてもお金がかかる国です。

ですから、本来であれば塾なんかなくても、教育そのものが成り立つべきだと思います。

塾を経営している立場で言うのも矛盾していますが、私自身ほんとうにそう思っています。

しかし、現実はなかなかそういうわけにはいきません。

やはり、塾なしで希望の進路を実現するのは難しいのが現状です。

私自身、3人の子どもを持つ父親です。

上は大学生、真ん中は中学生、下は小学生です。

ですから、同じ年頃のお子様を持つ保護者様の金銭的なご苦労は、十分に理解しているつもりです。

入学金や授業料、新しい制服や体操着、新しい自転車、教科書をはじめとする各種学用品など、志望校合格の喜びのあとには、さまざま出費が待ち構えています。

私は志望校に合格した生徒に、よくこう言います。

「勉強の本番はここからだよ」

子どもたちの勉強にとって、志望校合格はゴールではなくスタートです。

それと同時に、これからかかる費用を考えれば、保護者様にとってもゴールではなくスタートなのです。

ですから、同じ子を持つ親として、そのご苦労がわかるゆえの「無料」でもあるわけです。

今日はこのへんで。