今から21年前、大手学習塾を退職して森戸塾を作ると決めたとき、私はある1つのポリシーを掲げました。
それは「より質の高い指導をさらに安い料金で」というものです。
なぜそのようなポリシーを掲げたかと言いますと、それまで勤めていた大手学習塾の料金やサービスの質について、私なりのさまざまな疑問があったからです。
まずは料金についてですが、さすがに保護者の方から面と向かって高いと言われたことはありません。
しかし、おそらく多くのご家庭にとって、毎月のお支払いがかなりのご負担になっていることが想像できる金額であったことは間違いありません。
実際のところ、保護者様の間で「あそこの塾は高いわよね」という話が、かなり頻繁に出ているという話は在職中に何度も耳にしていました。
ただ一般的に、どんな商品やサービスにおいても、品質と価格は比例しますので、提供しているサービスの質が優れていれば何の問題もありません。
もちろん、私は自分が担当する授業のクオリティーについては絶対の自信がありました。
その証拠に、全社で200名以上いる講師の中でも、生徒からの評価は毎回トップクラスでした。
しかし残念なことに、同じ社内には、およそプロとは言えないレベルの者もたくさんいました。
「授業が超うるさい」
「説明が下手すぎて何言ってるかわからない」
「聞いてると眠くなる」
ほかの講師に対するこのような不満を、それこそ数えきれないほど生徒から聞かされたのも事実です。
したがって、生徒や保護者の立場に立って塾全体を見た場合、私がいたこの塾は、料金に見合ったサービスが提供できていなかったということになります。
このような経験から、私は自分の塾を作る際には、大手学習塾よりもはるかに質の高い指導を、できる限り低く抑えた料金で提供する塾を作ろうと決めていました。
そしていよいよ独立となったとき、まず真っ先に掲げたのが、先ほどの「より質の高い指導をさらに安い料金で」というポリシーなのです。
では、私の塾がどのようにしてそのポリシーを体現化しているのか、それを具体的にご説明したいと思います。
まずは指導の質についてです。
高品質の理由をひとことで言うと、すべての生徒のすべての教科を、私ひとりのみが担当しているということです。
私は自分の授業に絶対の自信を持っています。
小学生や中学生を対象に、集団指導形式で授業をさせたら、この足利に私の右に出る講師は1人もいないと思っています。
それくらいの自信があります。
もし、私の授業を聞いて「わからない」と言うのであれば、ほかのどこの塾の授業を聞いてもおそらくわからないと思います。
それくらいわかりやすい授業をする自信があります。
その証拠に、体験授業を受けた生徒のほとんどが、ものすごくわかりやすかったと評価してくれます。
どのようにわかりやすいのかは、言葉ではなかなか伝えることができません。
論より証拠、百聞は一見に如かずと言いますので、ウソだと思ったら、ぜひお子さんを体験授業に参加させてみてください。
そして、極めつけは何と言っても、そのわかりやすい授業を、すべての生徒のすべての教科において、私ひとりが責任をもって提供しているということです。
これこそが高品質の理由です。
私も50歳を超え、最近ではだいぶ疲れやすくなってきました。
だれか人を雇って、指導の一部を任せたいと思うこともあります。
しかし、それは絶対にしません。
なぜなら、どんなに優秀な人を雇っても、私以上の指導を期待することはできないからです。
当たり前のことではありますが、私は社会人となって以来、どんな仕事であっても最大限の責任感を持って取り組んできたつもりです。
大手学習塾時代ももちろんそうでした。
しかし、今になって振り返ってみると、当時と今ではその責任感の質が明らかに違うことに気づきます。
大手学習塾の社員であれば、仮に何か問題が起こったとしても、最終的には会社が責任を負ってくれます。
それによって、たとえば減給や降格があったとしても、すぐに生活ができなくなるということはありません。
しかし、自分の塾を立ち上げて独立した以上はそうはいきません。
すべては自分の責任となります。
いい加減な指導をおこない、生徒や保護者の期待を裏切れば、とたんに生徒の数は減ってしまいます。
そうすれば、すぐに生活ができなくなり、家族ともども路頭に迷いかねません。
したがって、独立前と独立後では、仕事に対する真剣さがまったく違ってきて当たり前です。
そして、当然それによって、生徒に対する責任感も別次元に変わってくるわけです。
じつは、授業がわかりやすいかどうかの違いは、授業が上手いとか下手といったスキルの問題ではなく、すべてはこの責任感の問題なのです。
私の塾において、私以上に責任感を持って指導にあたることができる人間はいません。
そのような理由から、1人ですべてをこなすことがどれだけ大変であっても、私は人を雇うことを絶対にしないと決めているのです。
これこそが、私の塾がすべての生徒にあたりはずれがなく、最高品質のサービスを提供することができる理由なのです。
つぎに価格についてのご説明です。
私にとっての森戸塾は、自らの知識と経験を活かし、足利のご家庭にさまざまな教育サービスを提供する場であると同時に、家族を養うための生活の糧を得る場でもあります。
生活はできれば苦しくないほうがいいですから、どうしたら塾の売上げを増やすことができるか、そのことをいつも真剣に考えています。
そして、そのためにはまず、生徒の成績を上げることに心血を注ぐべきだと考えています。
そうすることによって塾の評判も上がり、さらに生徒が増えるからです。
そのほかにも、校門の前でチラシを配布したり、ホームページを作ってブログを書いたりと、さまざまな努力や工夫をおこなっています。
しかし、これだけは絶対にしないと心に固く決めていることがあります。
それは「塾側の都合で生徒に不要なものを売る」ということです。
不要なものの代表例は、中3以外の夏期講習や冬期講習です。
私の経験から言えば、中2までの生徒に夏期講習や冬期講習は不要です。
長期の休みの期間中は部活動も盛んになります。
部活でクタクタになった中学生を毎日塾に通わせても、学習効果はほとんど期待できません。
あくびをする子、居眠りをする子、ボーっとしている子、教室はそんな子だらけになってしまいます。
また、ほとんどの塾において、講習の内容はつぎの学期の予習となっていますが、いずれもう一度学習する内容を、わざわざ別料金を払って学習する必要はありません。
そのときになったらしっかりと学習すれば、それで十分です。
したがって、生徒や保護者様にとって、中3以外の講習は、はっきり言って時間とお金のムダということになります。
それではなぜ、そのようなムダなものが多くの塾でおこなわれているのでしょうか。
それがまさに、塾側の都合なのです。
夏期講習や冬期講習の売上げを、社員に支給するボーナスの原資としている塾も多く、塾にとってはそのための講習という側面もあります。
仮にボーナスの原資に充てていなかったとしても、売上げアップのための方策であることは間違いありません。
もちろん、森戸塾には私以外に講師はいません。
したがって、誰かにボーナスを払う必要はありません。
そのため、生徒にとって意味のない講習をおこなう必要もありません。
結果として、保護者様に意味のない余分な出費をしていただかなくても済むようになっています。
ただ、中3生に限っては、志望校合格という大きな目標を達成するために、どうしても講習をおこなう必要があります。
現に私の塾でも夏期20日間、冬期10日間の日程で講習をおこなっています。
もちろん指導効果は抜群で、講習後の下野テストで急激に偏差値を伸ばす生徒が毎年たくさん出ます。
そして、毎年ほとんどの100%の生徒が無事に志望校に合格していきます。
ところで、不要なものの例は講習にとどまりません。
模擬テストや実力テストなども、その回数によっては不要なものとなります。
最近では、やたらと模擬テストや実力テストをおこなう塾が多いと聞きます。
もちろん、正しい時期に適切な回数でおこなわれるテストは問題はありません。
むしろ、生徒の実力を測り、弱点を見つけるためには絶対に必要です。
しかし、たいした目的もなく、やたら回数ばかりが多くおこなわれるテストには何の意味もありません。
ハッキリ言ってお金と時間のマイナスです。
それではなぜ、多くの塾がそのような無意味なテストをくり返しているのでしょうか。
これも完全に塾側の都合です。
塾がテスト業者のテストを実施すると、受験料の一部が「手数料」というかたちでバックされます。
また、その塾が独自に作成したオリジナルのテストであれば、生徒から集めたテスト代は、そのまままその塾の収入となります。
そのような理由から、模擬試験や検定試験の数を増やし、生徒にそれを半ば強制的に受けさせる塾が最近ではやたらと増えているのです。
もちろん、私の塾では不必要なテストをいっさいおこなっていません。
下野テストも実施はしてはいますが、対象は中3のみで実施の回数も限られています。
例を挙げると、下野テストは年に6回おこなわれていますが、そのなかで実施をしているのは、6月、8月、9月、12月の年4回のみです。
もちろん、実施をする月には、それぞれ進路指導をするうえでの意味があります。
私が森戸塾を開いたおよそ20年前は、業者テストの受験料はだいたい2,000円台のところがほとんどだったと記憶しています。
それが今ではおよそ2倍の4,000円台が当たり前となっています。
ここ最近は、景気はいっこうに上向かないのに、モノの値段ばかりが上がっています。
そうなると、何事においても必要なものとそうでないものをしっかりと見極めていく必要が出てきます。
テストもその例外ではありません。
しかし、教育に関するものについては、保護者様自身や生徒自身による見極めがとても難しいのが現実です。
すべての塾がそうだとは言いません。
しかし悲しいことに、塾業界はその仕組みを悪用して儲けているという側面があることも否定できません。
さらに、不要なものの例として挙げることができるのが、オプション講座です。
これこそが、大手学習塾を中心として、塾の費用が高くなってしまう最大の原因です。
どこの塾であっても中3になると、授業がたいてい「2階建て」となります。
これは、中3の内容を学習するための授業のほかに、中2までの内容の復習を中心とした受験対策のための授業がオプションとして加わるからです。
塾の立場から申し上げると、これはどうしても仕方がありません。
高校入試はすべての学年のすべての教科から出題されます。
したがって、それに応じたしっかりとした対策をしておくことが合格のためには不可欠です。
しかし、ここで問題となるのは、塾によっては授業が2階建てにとどまらず、3階建てや4階建てになってしまっていることです。
学力を上げるためには、たくさんの授業を受けなければならないというのは大きなウソです。
授業の数ばかりを増やしても、結局は消化不良を起こすだけです。
しかし、そんなことはどうでもよく、何としてでも売上げを増やしたいと考えている塾は、受験生や保護者の不安な心理をたくみに利用します。
「この講座を取らないと合格できない」
そう言って、本来は必要のないはずの講座を生徒に勧めるのです。
するとたいていの場合、生徒と保護者はますます不安となって、塾から言われるままに不必要な講座をいくつも取ってしまうのです。
このような、受験生と保護者の不安な心理につけこんだオプション講座の売りつけに、私は断固反対です。
森戸塾では、中3の授業は9月から2階建てとなります。
基本的にはそれ以上になることはありません。
ただ、合格を目指すうえでどうしても必要なこともあって、年明けからの2か月間は理科と社会のみが3階建てになります。
しかし、その分ほかの講座を無料にすることより、保護者様のお支払いが増えないように努めています。
このような経営努力もあって、森戸塾では中3の1年間に必要な費用が、標準的な大手学習塾のおよそ半分となっています。
そのほかにも、価格を抑えることに成功できている理由はいろいろとあります。
派手な宣伝をしなくても、保護者様の口コミや紹介で生徒が集まってくるために、宣伝の費用があまりかからないということもそうです。
また、私のほかに人件費がかからないことや、自習室の設定がないのでその分のテナント料が安く済んでいることなども理由です。
ちなみに、私は中学生までの塾には自習室は必要ないという立場です。
むしろ、必要はないというよりマイナスであるという立場です。
理由は過去にもブログ等で書いたことがあるので、ここでは割愛します。
詳しくお知りになりたい方は、直接ご質問いただいても結構です。
塾経営において、最大の経費となるのは人件費とテナント料です。
そこをグッと抑えているからこそ、低価格が実現できているということにもなると思います。
長々と書いてまいりましたが、これからも足利の多くのご家庭に、質の高いサービスを可能な限り低価格でお届けできるよう、努力を重ねてまいります。