高校入試の基礎知識

 

上にご兄弟がいて、すでに高校入試を経験されているご家庭では、入試についての情報をある程度お持ちかと思います。

しかし、お子様がこれから初めて高校入試を迎えるご家庭においては、いろいろとお分かりにならないこともあるかと思いますので、足利地域の高校入試の状況について、Q&A形式で簡単にご説明いたします。

Q1

県立高校の入試の仕組みについて教えてください。

A1

栃木県の場合、2月の初旬におこなわれる「特色選抜入試」と、3月の初旬におこなわれる「一般選抜入試」の2種類があります。

特色選抜は「面接」+「作文(小論文)」+「調査書」によって合否が決ります。

面接はほとんどの高校で「個人面接」となっており、作文(小論文)は500字前後のものを40分程度で書かせるところが多いようです。

この特色選抜入試においては、定員の20%から30%程度の合格者が決まります。

ちなみに令和2年度(2020年度)の入試では以下の通りです。

足利高校 20% 程度

足利女子高校 20% 程度

足利工業高校 30% 程度

足利清風高校 30% 程度

足利南高校 30% 程度

佐野東高校 20% 程度

もちろん、不合格の場合でも、その後の一般選抜入試を受けることができます。

しかし、1クラス分(40名)の募集しかない学科においては、募集定員の30%にあたる12名程度の合格者がでることにより、一般選抜で合格できる受験生がたったの28名程度となってしまいます。

したがって、そのような学科を希望する受験生は、できれば特色選抜入試で合格するのが望ましいと言えます。

一般選抜は「学力検査(5教科)」+「調査書」によって合否が決ります。また、高校によっては「面接」をおこなうところもあります。

栃木県の県立高校の入試問題は、近隣の都道府県とくらべると、基本レベルの平易な問題が多く出題される傾向にあります。

しかし、近年では英語や数学を中心として難化の傾向がみられます。

各教科の特徴は以下の通りです。

国語

国語の特徴は配点20点の「作文」にあります。栃木県の作文問題はおよそ300字近くを書かなければならず、他県の作文問題と比べても、かなり多くの字数が要求されます。

作文で点数を取るためには、書くための「ノウハウ」を身につける必要があります。

しかし、現在の日本の学校教育では、入試に対応した作文の指導はあまりおこなわれていません。

したがって、作文で点数を取るためには、独自でその方法を学ぶか、塾などで細かな指導を受ける必要があるでしょう。

また、多くの受験生が苦手とする、説明文と小説の読解はそれぞれ一問ずつ出題されますが、レベル的には毎年ほぼ平均的なものが出題されています。

ただし、入試の読解問題で点数を取るためには、学校の授業で学ぶ方法とは異なったアプローチで文章に接する必要があり、やはりそのための訓練を積んでおくことが必要となってきます。

また、言葉の知識(語彙力)がないと、読解の方法を学んでも点数に結びつけることができないので、早くのうちから言葉に対する知識を養っておく必要があるでしょう。

数学

数学は毎年大問の1番と2番で、各単元の基礎的な問題が出題されています。

この1番と2番で全体の4割近い得点が取れるので、まずは、ここをしっかりと取ることが大切です。

そのためには、受験勉強の段階で、基本的な問題をくり返し解いて、しっかりとした数学の「基礎」を養っておかなければなりません。

また、毎年5番で出題されている「一次関数の利用」が、中学校での指導レベルを上まわる出題となっており、毎年受験生が苦戦をしています。

確実に点数を取るためには、時間をかけた準備と対策が必要です。

それ以外の単元でもレベルの高い問題の出題が増える傾向にあり、これから一段と難化が進みそうな気配です。

英語

英語は長文問題が2問出題されます。文章のレベルはさほど高くはありませんが、しっかりとした訓練をして臨まないと、問題数の多さから「時間切れ」となってしまう可能性があります。

初めて見る英語の長文を、正確かつ効率よく読んでいくためのテクニックを身につけるためには、やはり、塾などで時間をかけた訓練が必要となってきます。

また、文章の内容を問う問題では、答えを日本語で書かせるものが多く、ある程度の長さの英文を正確な日本語に訳す能力が必要とされます。

そのためのには「文法」の知識はもちろんのこと、まずはしっかりとした「単語力」が必要です。

また、数年前に「課題英作文」の出題形式が変わり、従来よりもさらにしっかりとした英語力がないと答えられない問題となっています。

理科・社会

理科と社会に関しては、すべての単元についてほぼ基本レベルの問題が中心に出題されています。

もちろん、確実な知識を問うための「記述問題」も多数出題されており、あやふやな知識のみでは合格ラインに達することはできません。

こちらも適切な指導のもと、十分な対策が必要です。

 

Q2

特色選抜入試の合格者はどのように決まるのですか?

A2

特色選抜入試における合格者の選抜方法は高校によって異なります。出願資格要件およびくわしい選抜方法については、栃木県教育委員会のホームページに掲載されていますので、そちらをご覧ください。

しかし、ほぼすべての高校に共通して言えることは、調査書に記載される「評定」が良くなければ、いくら面接と作文をがんばっても合格はできないということです。

「評定」とは、中学3年間分の成績を135点満点で点数化したものです。135点の計算方法は以下のとおりです。

「5段階評定」×「9教科」×「3年間分」=135点

受験生の学力を客観的に測る「学力検査」がない特色選抜入試において、この「評定」は、高校が受験生の学力を見るための唯一の材料ということになります。

したがって、高校側が受験生の合否を判断する際の、もっとも重要な材料となることは間違いありません。

特色選抜入試の受験を希望する場合は、中3の秋におこなわれる三者面談で、その旨を学校の先生に申し出ることになります。

しかし、その際、学校の先生からあまりいい反応が得られないようであれば、受験をしても合格は難しいでしょう。

中学校では、過去の生徒の結果を蓄積したデータから、特色選抜入試の「合格基準」がある程度までわかっていると思われます。

したがって、学校の先生が特色選抜の受験を勧めないということは、評定がその高校の合格に必要な基準に達していないということになります。

このように、特色選抜入試は「3年間にわたってコツコツと努力を積み上げてきた生徒のみが合格することができる入試」であり、勉強をしたくない生徒が、勉強以外の方法で合格するためのものではありません。

 

Q3

一般選抜入試の合格者はどのように決まるのですか?

A3

基本的に「学力検査」の結果と「調査書」の内容の両方を総合して合格者を選抜します

だいぶ以前までは、学力検査と調査書の比重は、どこの高校も5:5で統一されていましたが、現在では高校ごとに独自に比重を定めています。くわしくは栃木県教育委員会のホームページで確認することができます。

ちなみに令和2年度(2020年度)の入試では以下の通りです。

高校名 (学力検査):(調査書)

足利高校 8:2

足利女子高校 8:2

足利工業高校 6:4

足利清風高校 7:3

足利南高校 6:4

佐野東高校 8:2

特色選抜入試と同様に、一般選抜入試においても「調査書(評定)」の果たす役割は重要です。

やはり、一般選抜入試においても、1年生の初めから3年間にわたってコツコツと学力を積み重ねてきた生徒が断然有利であり、そういった意味では、高校入試はすでに1年生の時から始まっているのです。

 

Q4

私立高校はどんな高校を受験する生徒が多いですか?

A4

もちろん、足利市内の私立高校を受験するケースが最も多いですが、周辺の高校を受験する生徒も数多くいます。

足高や足女の併願校として最も多いのは、やはり白鴎足利高校の富田キャンパスです。

白鴎足利高校の学業特待入試では、上から「S特待合格」「A特待合格」「B特待合格」と、3種類の「特待合格」があります。

私の塾のケースでお話しすると、S特待で合格する生徒は、下野模擬テストで「偏差値65」以上を取ることができる生徒です。

A特待で合格できるのは「偏差値63」前後を取ることができる生徒です。

B特待での合格は「偏差値60」前後の生徒が多く、それを下回ってしまうと、特待での合格は難しくなってしまいます。

また、足高や足女を第一志望にしている生徒にとっては、この学業特待入試において、進学コースの合格が取れるかどうかが、その後の県立高校入試で、足高や足女に合格できるかどうかの一つの判断材料にもなります。

白鴎足利高校以外では、両毛地域の私立高校のなかでも、大学進学実績が比較的好調な樹徳高校を受験する生徒も増えてきています。

その他としては、佐野日大高校、国学院栃木高校などを受験する生徒もいます。これらの高校は県立高校を経由するよりも、系列の大学に進学しやすいというメリットがあります。

清風や足工などの併願校として、白鴎足利高校とならんで、受験する生徒が多いのは足利大学附属高校です。

Q5

私立高校は何校ぐらい受験するのが一般的ですか?

A5

2校程度が最も多いです。しかし、中には1校のみという生徒もいます。

学業特待入試、ランクアップ入試、一般入試など、1つの高校でも複数回の受験が可能ですので、学力に合ったレベルの高校を受験するのであれば、そんなに多くの高校を受験しなくても大丈夫でしょう。