こんにちは。足利の学習塾 森戸塾の森戸です。
先日、TSUTAYAのレンタル会員の更新にいってきました。
更新の特典として、CDかDVDが1枚無料レンタルになるということで、さっそくCDを借りてきました。
YMO(イエロー・マジック・オーケストラ)のベストです。
YMOは1978年に、日本を代表するミュージシャンである、細野晴臣、高橋幸宏、坂本龍一の3氏によって結成されたユニットです。
YMOの特徴は、なんといっても、その斬新なサウンドです。
音楽にコンピューターを使うことがまだ一般的ではなかった当時、それらを本格的に取り入れたサウンドで、日本中に一大ブームを巻き起こしました。
その頃10代だった私も、もちろんブームにはまった1人です。
友だちからダビングしてもらったカセットテープを、テープが伸びるほど何回も聴きました。
そして、中3の時には仲のいい友だちと3人で、なんとコピーバンドまで結成してしまったのです。
友だち2人がシンセサイザーで、私がドラムという編成です。
はじめて人前で演奏を披露したのは、中学校の文化祭のときでした。
昔から、中学校で目立つのはスポーツが得意な生徒か、ちょっと不良っぽい生徒と相場が決まっています。
私たちはというとそのどちらでもなく、今風の言葉でいえば「陰キャ男子」といったところでした(笑)。
文化祭には、ほかにも何組かのバンドが出演していましたが、そのすべてが「陽キャ」の生徒による、ハードロック系のバンドでした。
そのような中で、陰キャ男子3人組が、突如、拡声器を手にステージに現れ、いきなりYMOを演奏しだしたわけですから、みんなビックリです。
(拡声器は、坂本龍一氏が当時YMOのライブでおこなっていたパフォーマンスの真似です。)
意外だったのは、若い先生たちにかなり受けがよかったことです。
「お前らの演奏が一番よかったぞ!」
こう言って口々にほめてくれました。
当時20代だった先生が大学生だった頃と、YMOの人気絶頂期はちょうど重なります。
おそらく、先生たちも学生の頃に盛んに聴いていたのでしょう。
何はともあれ、ふだんはあまり先生にほめられることがなかったので、何だか嬉しかったのを覚えています。
ところで、このYMOですが、最初に人気が出たのは、実は日本ではなく海外でした。
デビューの翌年におこなわれたワールドツアーがきっかけで、まずはアメリカやイギリスなどで人気に火がつきました。
そして、それがそののち、日本に逆輸入される形となったのです。
YMOに限らずですが、今から振り返ってみると、この頃の日本は本当に勢いがありました。
ソニーのウォークマンや、ビクターが開発したVHSビデオなど、それまでにない新しいものが、つぎつぎと生み出され、世界中の市場を席巻していました。
強い経済力を背景に、アメリカとの間に貿易摩擦が起こったのもこの頃です。
しかし、いまや日本にはその勢いはなく、人々のライフスタイルを変えるような、新しい発明や技術は、もうここ何年も出てきていません。
そして、バブル崩壊以来の30年にもおよぶ経済の低迷によって、国際的な地位を年々低下させています。
この日本の凋落ぶりは、いったいどこに原因あるのでしょうか。
原因はいろいろとあると思いますが、日本の教育制度もその一因であるという声を、最近多く耳にします。
現在おこなわれている教育では、新しい時代に対応できる人材は育たないという意見です。
画一的にものを覚えさせるのではなく、自分の頭で考えられる人間を育てなければならないということです。
確かにその通りだと思います。
しかし、自分の頭で考えるためには、まずはその前提として、考えるための「材料」が必要です。
その材料とは、すなわち「知識」です。
材料がなければ、いくら腕を振るっても料理はできません。
それと同じように、前提となる知識がなければ、いくら頭を使っても新しい考えは生まれてきません。
ですから、まずは十分な知識をしっかりと頭に入れる必要があるわけです。
中学校の勉強は、まさにそのためにあります。
また、日本の教育は「生徒の得意なものを伸ばそうとはせずに、苦手なものをがんばらせようとする」という批判もあります。
しかし、生徒たちに接していて思うのは、中学生レベルの苦手は、その教科に「適性がない」のではなく、ただ「勉強をしていない」だけです。
とことんやった結果の苦手ではなく、単なる「食わず嫌い」の場合がほとんどなのです。
いずれにしても、まずは根っこが、あらゆる方向に向かってしっかりと伸びていなければなりません。
そうしなければ、幹や枝が生き生きと育つことはできません。
根っこを論じずに、幹や枝を論じるだけの教育論は、単なる「机上の空論」です。
いつの時代も勉強の基本は変わりません。
まずは、覚えるべきことをしっかりと覚える。
すべてはそこからです。
今日はこのへんで。
(写真はYMOのファーストアルバムです。最新テクノロジーとジャポニズムの融合といった趣で、YMOがデビュー時から、海外での活動を視野に入れていたことがわかるデザインです。)