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必ず成績上げます!

こんにちは。足利の学習塾 森戸塾の森戸です。

梅雨が明けて本格的な夏が到来しました。

とにかく暑いの一言です。

「早くうっとうしい梅雨が明けないかなぁ」などと考えていたことを、真剣に後悔する暑さです。

地球温暖化は確実に進んでいるようで、日本はもはや温帯ではなく、どうやら亜熱帯となってしまったようです。

そう言えば、先日まで盛んに咲いていた我が家のハイビスカスが、ここのところ花をつけていません。

「ハイビスカスも咲かない暑さってなんなのよ」と思います。

しかし、このようなご時世でもあり、また、はじめからそのような時間も費用もないということで、どこかに避暑に出かけることもできません。

じっと我慢をして、乗り切りたいと思います。

さて、今回は塾屋としての私の本音を、少しだけ語らせていただきたいと思います。

学習塾の宣伝で、よく、このような文句を見かけます。

「必ず成績上げます!」

それを見て、私は感心しながらこう思います。

「よくそんなウソが大胆に書けるなぁ」

長年、塾を経営してきた人間として申し上げます。

通うだけで成績が上がる塾は、日本中のどこをさがしてもありません。

なぜなら、成績を上げるための唯一の方法は「家庭学習」であり、塾はそれを効率よくおこなうための補助手段にすぎないからです。

言い換えれば、たとえ塾に通っても、それに沿った家庭学習がなければ、絶対に成績は上がらないのです。

このことを、詳しく説明するとつぎのようになります。

勉強には「理解」と「定着」の2つの段階があります。

理解とは、問題の解き方を知ることです。

そして定着とは、それを一人でできるようにすることです。

「知っている」と「できる」は別のものです。

例えば、スキーの滑り方を教わったからといって、それですぐにスイスイと滑れるようになるわけではありません。

実際にゲレンデに出て、何度も転びながら、滑り方を体で覚えなければなりません。

勉強もこれといっしょです。

問題の解き方を習ったからといって、それですぐに問題が解けるようになるわけではありません。

解き方を習ったあとで、同じような問題をくり返して解くことによって、やっと一人で問題が解けるようになるのです。

ですから、塾に通っても家庭学習をしないということは、スキーの滑り方を教わっただけで、実際には、ゲレンデに出ないということと同じなのです。

授業のあとで、家庭学習をおこなうかどうかは、生徒次第です。

塾の講師が家まで行って、いちいち確かめることはできません。

その点については、どうしてもご家庭にお任せするしかありません。

ですから、塾の力のみで生徒の成績を上げることは絶対に不可能であり、必ず成績を上げると言っている塾は、それを承知でウソをついていることになるのです。

もちろん、生徒がしっかり家庭学習をおこなうように、塾としてもさまざまな努力をおこなっています。

例えば、地域によっては、生徒に家庭学習の進捗状況を事細かに報告させたり、かなりたくさんの課題を出したりする塾もあるようです。

しかし、正直なところ、このようなやり方は、あまり好ましくありません。

塾があまりにも家庭学習を管理しすぎると、生徒によっては塾そのものがイヤになってしまうからです。

進捗状況の報告や、大量の課題が精神的な負担となり、最悪の場合、塾自体を辞めてしまうのです。

「そんな甘いことを」と思うかもしれませんが、昭和生まれと平成生まれではメンタルが違います。

私も含めて、昭和の子どもたちは、家庭からも社会からも、今の子どもたちほど大切には扱われていませんでした。

あらためて振り返ってみると、学校の先生やまわりの大人たちから、けっこう理不尽な扱いを受けていたような気がします。

しかし、良いか悪いかは別として、それによって、メンタルが鍛えられたことも事実です。

いっぽう、今の子どもたちはそうではありません。

小さなころから、一人ひとりが大切に扱われています。

当然ですが、昭和の子どもたちのような「雑草的なたくましさ」はありません。

ですから、正直に言うと、塾としてはあまり負荷をかけることができないのです。

塾として、やれることは最大限しますが、それ以上は、それぞれのご家庭にお任せするほかないのです。

ところで、聞くところによると、成績が上がらないという理由で、たびたび塾を変えるご家庭があるようです。

塾の指導に問題があれば、塾を変えるのは当然です。

しかし、そうでなければ、何回塾を変えても、結果は変わりません。

くり返して言いますが、通うだけで成績が上がる塾はありません。

塾は成績を上げるための補助手段です。

たとえ補助輪がついていても、ペダルをこがなければ、自転車は進みません。

まずは、自らが力強くペダルをこいで、少しでも前へ進すすむことが大切です。

そうすれば、いつの日か、補助輪そのものがいらなくなる日も来るのです。

今日はこのへんで。

(写真は札幌の中島公園です。この季節の北海道は空気がとてもさわやかで、本当にうらやましい限りです。)