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数学の問題を解くということは

こんにちは。足利の学習塾 森戸塾の森戸です。

先日、所用があって大阪に行ってまいりました。

実は、私は若いころ関西に住んでいたことがあります。

しかし、その後なかなか訪れる機会がなかったこともあり、今回はかなり久しぶりの大阪訪問となりました。

当時は仕事に追われるばかりで、関西での生活を楽しむ余裕などありませんでした。

したがって、せっかく関西に住んでいながら、自分の部屋と職場の往復ばかりで、いわゆる観光名所と呼ばれるところにはほとんど行ったことがありませんでした。

そこで今回はあえて時間を作り、グリコの看板でおなじみの戎橋や通天閣で有名な新世界など、大阪を代表する場所をいくつか訪れてみました。

まわりから聞こえてくる関西弁に懐かしさを感じつつ、以前は感じることができなかった大阪情緒を、今回は思い切り楽しむことができました。

私が関西に移り住んだのは就職のためでした。

大学生の頃の私は飲食店の経営に興味があり、将来は自分の店を持ちたいと考えていました。

就職活動を始めると、関西地方にショッピングモールを中心に出店をしている飲食チェーンがあり、そこで独立に向けて経営の勉強をさせてもらえることがわかりました。

新幹線に乗り会社説明会に出かけ、その後も何回か通ううちに決心も固まり、私はその会社に就職することになりました。

結局はいろいろとあり、飲食店の経営をすることはありませんでしたが、そのとき得た経験は、現在の学習塾の経営や行政書士事務所の経営におおいに役立っています。

「人生にムダな経験はない」ということを実感します。

慣れない厨房での作業など、大変なこともたくさんありましたが、今ではすべていい思い出です。

ところで、日々生徒たちを教えていて思うことがあります。

数学の問題を解くプロセスと料理を作るプロセスは、とてもよく似ているということです。

数学の問題を解くということは、作り方を見ずに料理を作るようなものです。

作り方を見ずに料理を作るためには、作り方があらかじめ頭の中に入っていなければなりません。

例えば肉じゃがを作るとします。

材料がすべてそろっていても、作り方がわからなければ、肉じゃがは永遠に完成しません。

「だぶんこんな感じかな」と、適当に作ってみても、おそらく肉じゃがとはほど遠いものしかできあがらないでしょう。

以前TBSの地上波で、日曜日の昼に「噂の!東京マガジン」という番組が放送されていました。

その中に「やって!TRY」というコーナーがありましたが、まさにそれです。

作り方がわからずに作った料理は、どれも本来の姿とは大きくかけ離れたものばかりで、お世辞にもおいしそうには見えません。

そのような中で、リクエスト通りの料理を作ることができる人もごく稀にいました。

そのような人たちに共通しているのは、作り方があらかじめ頭の中に入っていたということです。

数学の問題を解く作業もこれと同じです。

実は数学の問題は、解き方があらかじめわかっている人にしか解けないのです。

料理と同じで「おそらくこんな感じかな」と、適当に解いてみても、正解にたどり着くことは絶対にありません。

したがって、数学のテストで点数を取るためには、その場で解き方を考えるのではなく、あらかじめ解き方を頭の中に入れておくことが必要なのです。

そして、そのために絶対に必要となるのが、授業を受けたあとの復習なのです。

料理でも、同じものを何回か作っているうちに、自然と作り方が頭の中に入ります。

それと同じで、数学も同じタイプの問題を何回も解くことによって、解き方が自然と頭の中に残るのです。

そして、だんだんとそのレパートリーを増やしていくのが数学の勉強なのです。

しかし、ここで疑問が生じます。

「それでは、ありとあらゆる問題の解き方を覚えなくてならないのか?」

こたえは「NO」です。

基本となる問題だけでOKです。

料理にはいろいろと共通する基本があり、それを覚えることによってさまざまな料理に応用することができます。

例えばカレーの作り方を知っていれば、カレーのルーをシチューのもとに変えるだけでシチューを作ることができます。

それと同じで、どのような数学の問題であっても、基本となる問題の解き方がわかっていれば、それをうまく応用することによって解くことが可能なのです。

したがって、ありとあらゆる問題の解き方を覚える必要はなく、基本的な問題の解き方をしっかりと覚えておけば大丈夫なのです。

よく、数学で点数を取るためには数学的なセンスが必要だと言われることがあります。

しかし、中学校の段階であれば、数学はただ単純に「解き方を覚えるだけ」の教科です。

センスの有り無しが問題となるのは、もっと上の段階に進んでからです。

しかもそのセンスとは、基本をしっかりと身につけることで磨かれるものなのです。

今日はこのへんで。

(写真は大阪のシンボルとして愛されているビリケンさんです。通天閣の近くで撮りました。この新世界のあたりは、たくさんの串かつ屋さんで賑わっています。串かつの元祖といわれる創業昭和4年の「串かつだるま」さんにて食事をしましたが、メニューにあるQRコードを読み込むと、自分のスマートフォンからすべてのオーダーができる仕組みとなっていてとても便利です。なんだかその現代的な感じと、昔ながらの店内の様子との間にギャップがあって面白かったです。もちろん串かつはどれも絶品でした)