月別アーカイブ: 2021年11月

好きなものにより深く

こんにちは。足利の学習塾 森戸塾の森戸です。

実はここのところ、トミカを集めるのに凝っています。

トミカと言っても、通常のものより造りがやや精巧な、トミカプレミアムシリーズです。

値段は定価で1台800円から900円程度ですが、どれもがだいたい700円程度で手に入ります。

タカラトミーのホームページを毎月欠かさずチェックしながら、つぎはどんな車種が製品化されるかワクワクしています。

「まったくいい大人が・・・」と思われるかもしれませんが、これが実におやじゴコロをくすぐるのです。

なんと、80年代から90年代にかけてのかつての名車が、これでもかと言うくらいラインナップされているのです。

スカイライン、フェアレディZ、シルビア、スプリンタートレノ、セリカ、ソアラ、スープラ、インテグラ、NSX、RX-7などなどです。

アラフィフの私にとっては、若かりし日々を思い出さずにはいられません。

今の若い人たちは、あまりクルマに興味がないと言われていますが、私たちおやじ世代の青春は、まさにクルマとともにありました。

私もかつては、安い中古車を探していろいろなクルマを乗り継ぎました。

見栄を張って中古の輸入車に手を出し、修理代でエライ目にあったこともあります(笑)。

最近では、子どもの教育費にお金がかかるので、欲しいクルマもそうそう買えませんが、若い時のクルマ遍歴は、今となってはどれもいい思い出です。

ところで、クルマと言えば、時折思い出すことがあります。

高校時代のことですが、当時クラスで仲が良かった友達が、突然私にこう言いました。

「俺、学校辞めるわ」

「へっ?」

あまりにもいきなりだったので、私は一瞬、彼が何を言っているかわかりませんでした。

とりあえず理由を聞くと、彼はこう答えました。

「学校辞めて就職するわ」

学校の勉強にはどうしても興味が持てないので、どこかの修理工場に就職して、大好きなクルマやバイクに関わる仕事がしたいということでした。

そして、これからそれを先生に言いに行くので、私に一緒についてきてほしいと言いました。

「何で俺が?」

そう聞くと、反対されたときに弁護をしてほしいとのことでした。

実は、私もその当時、彼と同じような状況にありました。

進学校の生徒でありながら、勉強することに意味を見いだせず、大学に行くことに魅力を感じられずにいました。

ですから、先生に反対された際に、私であれば弁護にまわってくれると思ったのでしょう。

2人で職員室に行き、彼が退学の意思を告げると、担任の先生はしばらく考えてからこう言いました。

「お前の気持ちもわからなくはないが、今ここで頑張って大学に行けば、すでに出来上がっているクルマの修理をするだけではなく、クルマそのものを一から新しく設計する仕事に就くこともできるんだぞ」

私はこれといった感想もなく、先生の言葉をただ何となく聞いていました。

しかし、その後、大学を経て社会人となり、いろいろなことを経験していくなかで、当時先生が言わんとしていたことが、ハッキリとわかるようになりました。

クルマを修理する仕事も、一から新しく設計する仕事も、私たちの社会にとって、どちらも必要不可欠です。

ですから、仕事としての優劣はありません。

しかし、どちらのほうが、自分の好きなものにより深くかかわることができるかといえば、やはり設計の仕事のほうではないでしょうか。

東京にあるキッザニアや、毎年こなわれている中学生のマイチャレンジなど、最近では職業というものを通して社会を学ばせる教育が盛んになりつつあります。

そして、なるべく早くの段階から、自分の好きなことや興味のあることを意識させ、それに合った職業へと導いてあげることが理想の教育とされています。

確かにその通りだと思います。

しかし、好きなものを見つけることばかりに気を奪われていて、どうすればそれと深くかかわっていけるかという点までは、あまり意識がいっていないように思えます。

すべての職業について言えることではありませんが、一見、無意味に思える勉強こそが、実は多くの職業にとって、それと深くかかわっていくための方法だったりします。

社会経験を積んだ大人であれば、この点については納得できる人も多いかと思います。

しかし、まだ社会の成り立ちをよく知らない子どもたちが、これをひとりで理解するのには無理があります。

「好きなものを見つけなさい」

これだけではあまりにも無責任です。

「好きなものにどうすれば深くかかわることができるか?」

このことについて、大人たちが一緒に考えてあげることも時には必要です。

「勉強は何のため?」

だれもが一度は感じる疑問です。

勉強は未来の選択肢を拡げ、自分の選んだ「好き」と、より深くかかわっていくための最短の近道です。

そのことを子どもたちに伝えていくことも、私は塾の重要な役割ではないかと考えています。

今日はこのへんで。

(写真は日産シルビアです。私も若かりし頃に、これと同じ色のやつに乗っていました。懐かしい!)

来年度(2022年度)新中1予約受付中です。

下もぜひご覧ください。

中1からでは早すぎる?