こんにちは。足利の学習塾 森戸塾の森戸です。
先日、ある中学生が体験授業に来てくれました。
授業の終了後、本人とお母様と、塾のことや勉強のことについていろいろとお話をしました。
ほかの塾も体験してみたということなので、塾の名前を聞いてみました。
これを読んでいるみなさんが、おそらく知っているであろう、ある大手学習塾です。
私は試しにこう聞いてみました。
「授業、騒がしくなかった?」
すると、予想通りの答えが返ってきました。
「はい、騒がしかったです」
これを聞いて驚いていたのがお母様でした。
自ら望んで勉強をしに行っているはずの学習塾で、こともあろうに、生徒どうしが授業中に勝手なおしゃべりをしているという事実が信じられなかったようです。
しかし、これは特に珍しいことではなく、大手学習塾であればよくある話です。
塾業界の人間であればだれもが知っている、学習塾「あるある」です。
では、なぜこんなことになってしまっているのでしょうか。
理由は2つあります。
まず1つ目は、講師にそれを制するだけの力がないということです。
これは、たびたび書いていることではありますが、大手学習塾の講師のレベルは、一般の保護者様が期待をしているほど高くはありません。
むしろ、期待をはるかに下回っているのが現実です。
なぜかと言うと、大手学習塾の職場は、とても人が育つ環境ではないからです。
学習塾の労働環境は「超」がつくほどのブラックです。
ほとんどの人間が入社して3年以内に辞めていきます。
自分で塾をやっていながら言うのも矛盾していますが、自分の子どもには絶対に就職させたくない業界です。
したがって、そのような環境のもとで「プロ」と呼べるような人材が育つわけもなく、講師のほとんどが素人に毛が生えたと言ってもいい程度のレベルです。
そのような人たちにキッチリとした身なりをさせて、何とかプロの講師っぽく見せているのが大手学習塾なのです。
2つ目は、経営面での問題です。
少子化の進むこの時代、学習塾はどこも経営が四苦八苦です。
それは大手学習塾であっても例外ではありません。
ですから、せっかく来てくれた生徒は、何としても辞めさせるわけにはいきません。
授業中に勝手におしゃべりをしていようが、スマートフォンをいじくっていようが、ヘタに叱って辞められてしまうよりマシです。
そこはグッと我慢をして、生徒の機嫌を損ねないように、出来る限りそのままです。
しかし、一部のしっかりとした子は、このような環境では落ち着いて勉強ができないと悟り、さっさと他の塾に移ってしまいます。
事実、私の塾にも毎年たくさんの子が移ってきます。
このように、生徒を適切に叱らないことが、経営面においても結果としてマイナスであることを、大手の学習塾はあまりわかっていないようです。
ところで、このようなあまりにもひどい現状を、多くの保護者様はなぜご存知ないのでしょうか。
世の中で提供されている一般的なサービスは、サービスを受ける人とお金を払う人が一緒です。
しかし、塾の場合は、おもにサービスを受けるのは子どもであり、お金を払うのは保護者様です。
お金を払う人が、サービスが適切に提供されているかどうかを、直接目で見て確認することができません。
そこに大きな問題があります。
中学生とはいえ、まだまだ子どもです。
たいていの子は、楽しいほうへと流されてしまいます。
みんなが楽しそうにしているなかで、自分だけがそれに流されないでいるのは、相当な意志の力が必要です。
しっかりと勉強をするつもりで塾に入った子も、しだいに初心を忘れてしまうのは仕方がありません。
しかし、どんな子であっても、先生の話を聞かずに友だちとのおしゃべりに興じていることを、決していいことだとは思っていません。
そこには必ずうしろめたさがあります。
ですから、塾での様子は決して親には話しません。
それゆえに、保護者様が塾の中で何が起こっているのかを知らないのは当然で、ある程度仕方がないことなのです。
できればこんなことは言いたくありませんが、本来であれば、率先して範を垂れるべき大手がこのような状態ですから、学習塾業界全体の意識は相当に低いと言わざるを得ません。
個別学習教室と謳っておきながら、生徒にただ自習をさせているだけのところもあります。
1人の講師がいっぺんに3人以上の生徒を教えていて、もはや個別とは言えない状態のところもあります。
選りすぐりのプロ講師陣と謳っておきながら、最近までまったく違った仕事をしていた新人や、主婦や大学生のアルバイトばかりのところもあります。
こんないい加減なことがまかり通っているのが、実は塾業界なのです。
「有名だから」や「みんなが行っているから」は、塾を選ぶときの理由にはなりません。
塾を選ぶ際は、もっともっと慎重になってください。
塾業界を深く知る者からのお願いです。
今日はこのへんで。
(写真は秋に栃木市の大平ぶどう団地で撮ったものです。栃木県って何気にフルーツが豊富ですよね。移住してきてよかった思う理由の1つです。)
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