心の中ですみません

こんにちは。足利の学習塾 森戸塾の森戸です。

いきなりですが、埼玉県には、ある有名な餃子のお店があります。

その名を「ぎょうざの満洲」といいます。

埼玉県を中心に80店舗以上を展開する外食チェーンです。

宇都宮の餃子ももちろん美味しいですが、埼玉県人である私にとっては、満洲の餃子は故郷を思い出す「ソウルフード」でもあります。

時おり無性に食べたくなるので、埼玉の実家に帰ったときなどは、お持ち帰り用の冷凍餃子を大量に買いこんだりしていました。

しかし、その満洲が、わざわざ埼玉まで行かなくても、とうとう近くで食べられるようになったのです。

おとなり太田市の「パワーモールおおた」内に、今月ついにお店がオープンしたのです。

もちろん、早速行ってまいりました。

ここのところ、コロナの影響で実家に帰ることができなかったので、ひさびさの満洲に大感激です。

お値段も相変わらずリーズナブルで、とても満足のいくお昼ご飯を満喫しました。

さて、ここまでの内容でいくと、おおたモールを訪れた目的は満洲ということになりますが、実はそうではありません。

今回1番の目的は、同じモール内にある「スポーツDEPO」でした。

授業の時に履くシューズを探しに行ったのです。

私はふだん、スポーツシューズを履いて授業をしています。

手持ちのいくつかをローテーションで履いているのですが、そのなかでも特にお気に入りの1足があります。

ニューバランスの、ややお高めのやつです。

ややお高いだけあって、長時間履いても足がほとんど疲れません。

塾の仕事は、基本的に立ち仕事です。

特に講習期間中は、1日8時間も9時間も立ったまま授業をすることになります。

しかも、それが毎日です。

当然、足は棒のようになり、ビリビリに痺れます。

ひどい場合は、次の日の朝になっても、痺れが取れないこともあります。

したがって、長時間履いても疲れないシューズは、野球選手のスパイクと同様、塾の講師にとっては重要な商売道具なのです。

プライベートで1万円を超える靴を買ったことは、ほとんどありません。

しかし、授業のパフォーマンスを左右する、大事な商売道具ということを考えると、そうそうケチるわけにもいきません。

そこで今回、ニューバランスがややくたびれてきたこともあり、期待できる「新戦力」を探すべく、スポーツDEPOへと乗り込んだのです。

店舗に到着すると、見かけた店員さんをつかまえて、いま履いているニューバランスと、同じくらいのスペックのものを探していると告げました。

すると、シューズ担当の人をすぐに呼んできてくれました。

シューズ担当の店員さんは女性の方で、見たところ主婦のパートさんといった感じでした。

正直に言うと、はじめは「この人で大丈夫かな?」と思いました。

「大丈夫かな?」というのは、本当に「ちゃんとした専門知識があるのかな?」という意味です。

しかし、その不安は杞憂に終わりました。

店員さんは、私からシューズの用途や好みのメーカー、今回の予算などを聞くと、候補となりそうなものを、すぐに4種類ほど用意してくれました。

ニューバランスが2つ、ナイキが1つ、あと1つは見たことがないメーカーです。

まずは、ニューバランスとナイキを試してみました。

期待通り、まずますです。

あと1つは知らないメーカーということもあって、特に試さなくてもいいかなと思っていました。

すると、店員さんがこう言いました。

「実は、コレが1番のお薦めなんです」

聞いてみると、On(オン)というスイスのメーカーが作っている、Cloud(クラウド)という名前のシューズだそうです。

何やら、ソールの部分がギザギザしていて、とても特徴的です。

説明によると、その特徴的なソールは、特許にもなっているそうです。

せっかく薦められたのに、履いてもみないのも悪いかなと思い、正直、あまり期待をせずに履いてみました。

すると、なんと、いいではないですか!

足にジャストフィットで、まさに履き心地抜群です。

カラーリングも落ち着いていて、これなら授業にも合いそうです。

「これ、なかなかいい色ですね」と言うと、店員さんがこう言いました。

「塾の先生だっておっしゃったんで」

私の決断はあっさりと覆りました。

それまで、心の中は8割がた、ニューバランスで決まっていましたが、今回、初めて、Onを購入することに決めたのです。

おそらく、Onが棚に飾ってあったとしても、自分から手にすることはなかったと思います。

店員さんの的確なアドバイスがあってこその選択でした。

プロの豊富な知識と的確な接客に、まさに脱帽です。

「大丈夫かな?なんて思ってすみませんでした」

私は会計をしながら、心の中で店員さんに謝りました。

そして、私もこのように、自分自身の仕事のプロでありたい。

帰りのクルマを運転しながら、強くそう思いました。

今日はこのへんで。

(写真は、大泉洋が世に出るきっかけとなった、伝説の番組「水曜どうでしょう」を制作した、HTB北海道テレビ放送のマスコットキャラクターのOnちゃんです。シューズメーカーのOnとは、おそらく無関係だと思われます)