こんにちは。足利の学習塾 森戸塾の森戸です。
いろいろと忙しく、ほんとうに久しぶりの更新となってしまいました。
ここのところで言えば、17日と24日の日曜日を使って、3年生全員の三者面談をおこないました。
今年は足利高校と足利女子高校の合併があります。
そのため、高校入試をめぐる状況もかなり流動的であり、私としても、例年以上に難しい判断をせまられる場面が多々ありました。
しかし、どんな状況であっても、受験生本人のがんばりこそが結果を決めるすべてです。
私としては例年同様、彼らのがんばりを支えるための、最大限の努力をするまでです。
さて、今日は日ごろ、子どもたちを見ていて思うことを書きたいと思います。
それは、最近の子どもたちは「がんばる」ということの基準が、ひじょうに甘いのではないかということです。
どんな子であっても、成績を上げたり志望校に合格するためには、がんばらなくてはならないことはわかっています。
しかし、どれくらいがんばらなくてはいけないかの、「どれくらい」の基準が、今の子はひじょうに甘いのです。
ふだんはほとんど勉強をしていないのに、テスト前にちょこっと勉強をしたくらいで、点数が取れることを期待しています。
テスト前の勉強は、ふだんの勉強の「仕上げ」であると、私はつね日頃から生徒たちに言っています。
それまでの積み重ねがあっての「仕上げ」ですから、それがなければテスト前の勉強はほとんど意味をなしません。
テスト前だけ多少がんばったとしても、点数は取れないわけです。
考えてみれば、これは当然です。
ふだんはほとんど練習をしない野球チームが、試合前にちょこっとがんばって練習をしたくらいで、強い相手に勝てるはずがありません。
スポーツの世界であれば、ふだんからの練習の積み重ねが大切であることは、だれでも知っています。
しかし勉強となると、なぜかその原理原則を忘れてしまうのです。
スポーツも勉強も変わりません。
新しい知識を身につけ、それを点数に変えていくためには、ふだんからの勉強の積み重ねが絶対に必要なのです。
したがって、ほぼ毎日の家庭学習習慣が身につかないうちは、絶対に成績は上がりません。
ところで、生徒本人や保護者様から、たびたびこのような質問を受けます。
「勉強の仕方がわからないのですが」
私はこの質問に対して、2パターンの答えを用意しています。
まずはひとつ目ですが、ふだんからある程度の勉強ができている生徒に対しては、具体的な勉強方法を指示します。
「問題演習の量を増やしたほうがいいよ」とか、「こんな問題集がおすすめだよ」といった感じです。
そしてもう一つは、そうでない生徒向けで、このように言います。
「勉強方法を考える前に、まずは勉強そのものをすることを考えなさい」
勉強をするにあたって「質」が大切であることは言うまでもありません。
しかし、質が問題となるのは、その前に「最低限の量」があっての話であり、そうでなければ、いくら方法を論じても意味はないのです。
ですから、一見とても冷たいようですが、ふだんからの学習が明らかに足りていない生徒に対しては、こう言うほかないのです。
さらに言えば、勉強には特別な方法はありません。
もし、野球がうまくなりたかったらどうするでしょうか?
走り込みや筋トレなどで基礎体力を高めるとともに、指導者に教わった通りのプレーができるよう、バッティング練習や守備練習をひたすらくり返すだけです。
勉強もまったく同じです。
覚えるべきことをしっかりと覚え、先生に教わった通りに問題が解けるよう、ひたすら問題演習をくり返すしかありません。
成績のいい子は、これをふだんからしっかりおこなっているから成績がいいのです。
成績がいい子しか知らない、何か「特別な方法」があるわけではないのです。
私は自営業という仕事がら、ふだんからビジネス書をよく読みます。
ほとんどの本をアマゾンで買っていますが、最近「おすすめ」で出てくる本のなかで特に多いのが、「あなたもこうすれば簡単に儲かる」といった類の本です。
「1日たった30分、パソコンの前にすわるだけで月収100万円!」や「1週間にたった3日働くだけで、年収1000万円!」などといった具合です。
当たり前ではありますが、世の中にそんな都合のいい話はありません。
試しに読んでみると、予想通り中身はひどいものばかりです。
著者や出版社の見識を疑います。
しかし、そのような本が次から次へと出てくる現状を見ると、やはり、それなりのニーズがあるということなのです。
人間だれしも、つらいことや苦しいことは嫌です。
可能であれば、避けて通りたいと思うのが自然な心情です。
しかし、すべての物事に「簡単さ」や「今すぐの結果」を求めることはできません。
価値あるものであればなおさらです。
やはり、覚悟を決めて、じっくりと時間をかけるほか方法はないのです。
今日はこのへんで。
(写真は北海道の白老町にあるウポポイ(民族共生象徴空間)の国立アイヌ民族博物館です。ゴールデンカムイ、全巻じっくり読んでみたいです。)