こんにちは。足利の学習塾 森戸塾の森戸です。
昨日、授業を終えて家に帰ろうとすると、車の外気温計がマイナスになっていました。
暖冬ということで、寒さに対する耐性ができていない中での寒気襲来。
とても寒いです。
寒いと言えば、先日のこと。
休み時間に中3の男子2人が、歴史の問題を出し合っていました。
「さすがは受験生!」
感心して聞いていると、会話の中から「プロレタリア文学」という言葉が聞こえてきました。
そこで、私は2人に聞いてみました。
「プロレタリア文学の有名な作家は?」
「・・・・」
「おいおい大丈夫か?」
仕方がないのでヒントを出しました。
「小林なに?」
すると、2人は声をそろえて言いました。
「小林一茶!」
時代もジャンルもまったく違います。
「小林多喜二だろ」
「あ~、そうだった!」
そこで、つづけて質問してみました。
「小林多喜二の代表的な作品は?」
「蟹工船」
こちらは即答でした。
「ところで蟹工船ってどんな話だか知ってる?」
すると2人のうちの1人がこう答えました。
「カニが目からビームを出す話でしょ?」
「それは『蟹工船』じゃなくて『蟹光線』だろうが!」
そんな3年生たちですが、昨日から「特色選抜入試」に挑んでいます。
私の塾からは毎年多くの特色選抜合格者がでます。
1年生の時からコツコツと学力を積み重ねている子が多いからです。
私はもともと足利の人間ではありません。
ですから、地元の人とくらべて、足利のことを客観的に見ることができるのではないかと思っています。
私から見た足利の人の特徴は「ジャスト・オン・タイム」です。
「ジャスト・オン・タイム」とは「時間ぴったりに」とか「ギリギリ間に合って」という意味です。
私が大手学習塾の社員だった頃の話です。
当時、その塾の職員の間で「足利時間」という言葉がありました。
群馬や埼玉などの教室では、生徒は授業の始まる15分くらい前から集まり始めます。
そして、5分前にはほぼ8割以上の生徒が教室で席についている状態になります。
しかし、足利だと様子が一変します。
授業開始直前の5分間で、ほぼ8割の生徒が集中的に集まってくるのです。
これを、職員たちは「足利時間」と呼んでいました。
また、季節講習の申し込みについても同じような現象が見られます。
チラシなどで宣伝が開始されると、それと同時に、群馬などの教室では申し込みの電話が鳴り始めます。
しかし、足利の教室ではまったくと言っていいほど鳴らないのです。
「今日、新聞にうちの塾のチラシ入ってた?」
心配になって、知人に電話をかけて確認する職員もいました。
ほかの教室が順調に申込者数を伸ばしていく中で、足利の職員はとてもヤキモキします。
しかし、この状況は講習開始直前になるといっきに改善します。
申し込みがどっと増えるのです。
なかには、講習開始の当日にあわてて申し込むというようなケースもあります。
この「ジャスト・オン・タイム」ですが、ふだんであれば何の問題もありません。
むしろ合理的とも言えます。
しかし、高校受験となると大いに問題となるのです。
特に「特色選抜入試」がそうです。
特色選抜入試では「面接」と「作文」が課されます。
それだけを見ると、これによって合否が判断されるように見えますが、実はそうではありません。
特色選抜入試には「出願するための資格要件」というものがあります。
高校によってさまざまなのですが、ほぼ共通なものもあります。
そのなかで最も代表的なものがこれです。
「本校での学習に適応できる十分な学力を身につけていること」
特色選抜入試は、まず出願するにあたって十分な学力があることが前提なのです。
十分な学力のない生徒は出願そのものができません。
また、かりに無理に出願をしても合格することはできません。
では、学力検査のない特色選抜では、学力があることをどのように証明するのでしょうか。
調査書に記載される「評定」によって証明するのです。
「評定」とは、1年生1学期から3年生2学期までの成績を135点満点で点数化したものです。
ここでポイントとなるのは「1年生1学期から」というところです。
3年生からがんばっても、それ以前までの成績が書き換わることはありません。
ですから、特色選抜入試で合格するためには、まさに1年生の最初からのがんばりが必要なのです。
「ジャスト・オン・タイム」の勉強では、特色選抜入試に合格することはできないのです。
私の塾では1年生のスタート時から、入試では「ジャスト・オン・タイム」が通用しないことをくり返し教えます。
そして、私の指導を忠実に守って、多くの生徒がコツコツと学力を積み重ねます。
それが、森戸塾が特色選抜入試に強い理由だと思います。
これからも、足利の「ジャスト・オン・タイム」の精神を尊重しつつ、勉強については「何事も前倒し」の精神をしっかりと指導していきたいと思います。
今日はこのへんで。